エピソード4 僕と君の形 ④
俺は当時、昼間パチンコ屋のホールスタッフとして働いていた。
そしたら上司の小峰田さんが休憩中に声を掛けて来た。
「中谷〜。」
「なんすかぁ?」
「お前、犬いらねぇ?」
「犬っすか?犬好きですけど何犬ですか?」
っと、聞くと。
「チワワ。」
と答えた。
「生後半年なんだけど、前に働いてたバイトがもう一匹犬飼ったんどけど、その犬と仲良く出来ないから誰か飼ってくれる人を探してんだって。」
「はっ?なんすかそれ?酷い話っすね。」
俺はその飼い主の元バイトの女に少し腹たった。
「俺の彼女が犬好きだから、ちょっと聞いてみます。」
俺はバイト終わった後に真理にこの事を話すと、
「えっ!?ワンちゃん欲しい!!」
って、言った。
「でも、お母さんが犬好きじゃないからなぁ〜。」
少し顔をしかめた。
「でも、そのワンコかわいそうだよね⋯。」
俺も賃貸に母親と住んでるし、犬を買うのはなかなかに難しかったから悩んでいた。
「でも、何とかしてみるよ!一回引き取ろう!それでどうしてもダメだったら、別の飼い主さん探してあげよう!」
俺は真理をほんといい奴だなって思った。
俺も真理の気持ちに応えたく、
「わかった!何とかしてやるか!最悪、俺の母さん連れて来ちゃえばなんだかんだ許してくれるしな!」
そんな適当な気休めを言った。
結局、次の休暇の時にチワワを引き取ってきた。
そのチワワを真理が家に連れて帰ったら、真理のお母さんがなんだかんだで気に入ってしまい、真理の家で飼うことが無事に決まった。
その子の名前を"ウーバー"と名付けた。
俺と真理が当時から今の今まで大ファンのUVERworldから取った名前だった。
ウーバーは真理の家でも大人気で、毎日、夜は俺と真理でお散歩した。
勿論、真理の家族もお散歩してくれてた。
気が強い割には弱っちくて、猫とか他の犬をすぐ威嚇するくせに、逆に反撃されると『くぅ~ん。』とか言って逃げた後、ブルブル震えてる、そんな可愛い犬だった。
そしてウーバーは俺と真理にとって、かけがえのない存在になっていったんだ。
大好きなウーバー。
真理が溺愛した、初めての俺達の犬。




