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クソゲーと初戦闘

始業式だっため、学校は午前中で終わった。


初めてディザリオンに手を出そうと思った。

正直怖い。『ディザリオン・ワールド』というタイトルを目にすると手の震えが止まらないレベルだ。


「……大丈夫……ふぅ…、」


軽く深呼吸をしてVR機器にカセットを挿入する。


「死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない!」


必死で恐怖に耐えながら、VR機器を頭に装着する。

ホラゲーならビビることなくできるのだが、現実世界の命に危険があると、さすがに俺でも恐怖する。


白い天井が暗闇へと変わった。

俺はVR機器の電源を入れて、覚悟を決める。


「は、始まったのか」


ディザリオンでは、始めはキャラメイクから始まるようだ。だいたいそうだろうけど。

ガンロワでは、アバターがプレイに影響していたので、ディザリオンでもその可能性は高いだろう。


機動力を重視する俺のプレイスタイルでは、身軽な身体の方がやりやすかったりする。

ガンロワでは腕の筋力が必要な場面があったため、男アバターの方が都合が良かった。

反対に、女アバターは男アバターよりも俊敏性に優れていて、銃を使うガンロワ世界では女アバターの方が使用者が多い。


「さてどうするか……迷う〜〜」


当たり前だが、映えるのは女の子に決まっている。

VRゲームに共通するが、細かい部分までリアル。そのため、ロングヘアのアバターにすると髪がウザかったりする。


「よっしゃー!可愛いくできたぞ!」


黒髪ショートの妹系美少女が出来上がった。

服装は、可愛くしてあげたいが、『俺』が操作するので、あまり露出したのはごめんだ。そこで、ミリタリースタイルにしておいた。


俺自身女体化してみたいという変わった癖を有しているため、かなり興奮している。


「よろしくな!えーと……名前は……」


俺はプレイヤーネームは揃える派だ。

すべてのゲームで名前設定は『セリオナ』にしている。


「じゃ、セリオナっと……」


現実世界が静岡海だとバレなきゃそれでいいわけだ。


こういうゲームには最初に職業選択があると思っていたがないらしい。

なるほど、その代わり、初めに〇〇使いで武器を選ぶことができると。


剣、槍、斧、ハンマーとか結構種類は豊富らしい。

一言に剣と言ってもその中で数多くの種類があった。例えば、ロングソード、バスターソード、短剣とか、その他にも色々。


適当にスワイプしていると、銃の項目があった。

ミリタリースタイルの格好にはピッタリ。

それに、今までガンロワをしてきた俺からすると、銃が1番使いやすい武器だろう。


銃の種類は選べるわけではなかった。ハンドガンだけ。

他の武器とのバランス調整だろうか。

代わりに、ボロボロのナイフを詰まないようにセットでもらえるらしい。


「く〜今更だけどめちゃくちゃ怖いな〜」


震える手で決定のボタンを押す。


「あれ?」


ゲーム開始ではなく、初期スポーン地点の設定ができるようだ。

東西南北にそれぞれ町があり、その4つと、ランダムスポーンという選択肢がある。


初動で町に行ったところで金はないだろうし、どちらにせよレベリングしなくてはならない。


「そんなんランダムスポーンに決まってるだろ!」


迷わず押した。










「洞窟?……いや鉱山?それより俺の声可愛すぎるんだが?!」


青い鉱石が大量に壁に埋め込まれた洞窟。

幻想的で綺麗だと思った。まるで、星空をズームしたかのようにも思える。


鉱石のおかげか、辺りを見渡せるくらいには明るかった。明るいか暗いかで言えば暗いが……


胸の大きさは調整できなかった。

胸辺りが重く感じる。


「じゃまだなこれ……」


あと、気持ち悪い……

現実世界と身体が全然違うので、なんだか酔う。

現実世界の身体が170強あるのに対して、この身体は150ちょっとしかない。


「めっちゃ地面近い……うっ……」


吐き気が俺を襲ってきた。


「何が神ゲーだ!クソゲーじゃねーか!……うぉぉええ!」


俺が悶え苦しんでいると、一本道の奥から足音が聞こえてくる。

暗闇から現れたのはコボルトだった。


「うぎゃぁぁああ!」


「喋んな!キモ!」


ツルハシ1本を抱えてやってきたコボルトは、俺を敵だと認識して襲いかかる。


「あぶねー」


あまりに素直に、飛び込んできたコボルトのツルハシを、バックステップで避けた。

やはり、女アバターは使いやすい。軽く飛んだだけで2m近く飛んだ。


即座に構えたハンドガン。インベントリにある武器は、念じただけで装備できるらしい。


「くたばれくそが!」


弾は明らかに腹を貫通しているが、少し怯むだけで決定的なダメージにはなってないらしい。

頭に構え直して、即座に引き金を引いた。


「ぐぎゃぁああ……」


『CRITICAL』の文字が浮かび上がってきたので、恐らくガンロワで言うヘッドショットの概念だろう。

このゲームでは頭以外に内臓などの細かい部分まで作りこまれていて、急所はいくつかあるようにも思える。


身体はすべてポリゴンとなって消えるので、そこに残っている物はドロップアイテムということだろうか。


「ツルハシ……かぁ……」


ディザリオンでの価値の良し悪しが分からないので一応取っておこうと思う。


『LEVEL UP』


ステータス画面を目の前に表示した。


----------------------------------


PN セリオナ

JOB なし

称号 なし


所持金 0leny


HP(体力) 30

MP(魔力)10

SP (スタミナ)30


STR(攻撃力) 10

AGI(速度) 10

VIT(耐久力) 10

INT(スキル威力) 10

MND(魔法防御) 10

LUK(幸運) 10


GP 10使用可能


SKILL なし


装備 なし


----------------------------------


ステータス割り振りは攻撃力に振っていこうと思う。

銃にも攻撃力の数値が影響するのならば、上げておくことによって弾の節約にもなるからだ。

読んで頂きありがとうございます!

VRゲームは脳へのダメージがイカつくて、酔うらしいっす。

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