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映画の話  作者: 六福亭
1/1

「教皇選挙」

観た映画の話をつらつらとしたくて投稿してみました。ネタバレふくむかもしれません。未視聴の方はご注意ください。


昨日、「ウィキッド」と「教皇選挙」を観てきました。「教皇選挙」は、カトリックが好きなこともあって絶対に観たいと思っていましたが、前評判に違わぬ面白い映画でした。


ストーリーは、シンプルです。前教皇が死去したことにより、世界中の教区から枢機卿がバチカンに集まり、新しい教皇を選ぶ儀式「コンクラーベ」を行います。候補者であり投票者でもある枢機卿たちが、閉ざされた聖堂の中で教皇に相応しいと思った者に票を投じるのですが、様々な問題が明るみになり、なかなか決まらなくて……というもの。誰かの得票数が72票に達しなければ決まらないので、コンクラーベは何日も続きます。


主な登場人物

・ローレンス…主人公。主席枢機卿で、コンクラーベの取りまとめ、進行を任されている。

・ベリーニ…リベラル派な枢機卿。ローレンスと仲が良い。ローレンスは彼を推す。

・テデスコ…保守派の枢機卿。なかなか人気がある。庵野秀明監督にとても似ている。

・トランブレ…次期教皇との呼び声高い枢機卿。コンクラーベ直前にある疑惑が持ち上がる。

・アディエミ…アフリカ系の枢機卿。この人もかなり人気。

・ベニテス…コンクラーベ直前に現れた、カブール教区の枢機卿。前教皇によって秘密裏に任命されていたらしい。


 登場人物がおじさんばかりで、自分にとっては天国のような映画でした。Twitterでどなたかが仰っていたように、あらかじめ主要な登場人物の顔と名前を覚えていた方が良かったかな…と最初は思いましたが、みんな個性が立っていて、話が進むうちにするすると頭に入って来ました。


 選挙のために各国から集まってきた枢機卿が中庭でタバコを吸っていたり、スマホをいじっている場面があり、彼らも人間だもんな…と面白さと親しみを感じました。


 また、仲が良いメンツで誰に入れるかの相談をしていたり、食事の時にどうしても同じ国や言語圏同士で固まってしまったり、女子学生のようなメンタルを感じたところもありました。


 選挙に入る前に、ローレンスが主となってミサを執り行う場面があるのですが、彼が他の人とは違う衣装を着せてもらっているところが印象に残りました。金糸の刺繍や散りばめられた赤い宝石がとてもきれいで、でもとても重そうで、彼の立場の重要さそのもののようでした。彼が首席枢機卿という地位につくまでには、長い年月と様々な経験や苦労を重ねてきたのでしょうね。  

 ローレンスがミサの際に行った説教も素晴らしいものでした。「信仰の一番の敵は『確信』」「新しい教皇となる者は疑念を抱き続ける者であってほしい」(※大意です) など、彼の本心から出た言葉がとても真摯で、説得力があり、自分がこの場にもしいたらずっと彼に票入れちゃうだろうな〜とつい思ってしまいました。


 コンクラーベを仕切らなければならないローレンスは最初からずっと気を張っていて、部下から「今そんな情報入れてくる!?」なとんでもない話を持ち込まれたりすることもあったのですが、悩み揺れながら頑張って動いていて……もういっそ自分が教皇になっちゃえよ!と途中何度も思いました。ローレンスはえらい。あんたが教皇。


 映像や美術、音楽などの演出も、素人目に見ても素晴らしく、カン!!!って脳天に響くような音が何度も入るのが癖になります。

 どんな場面かは言えないのですが、ローレンスが無音の中たった1人でいるシーンがあり、その時の緊張感がものすごかったです。観ている自分の血が熱くなっていくのが分かるくらいでした。


 何日にも及ぶコンクラーベの果てに、誰が選ばれるのか。是非、映画館で見届けてほしいと思います。誰が選ばれるのかあててみるのも楽しいかもしれません。

 
















 


以下、結末に関する感想です。直接的なネタバレはしませんが、これから観られる方はご注意ください。
















 選挙の結果を観た自分の感情の動きは、うおおおおおおお!!!→えええええ!!??→うーん……? みたいな感じでした。抽象的ですみません。驚きで空いた口が塞がらないという体験を初めてしました。最初は、これもしバレたら大騒ぎになるんじゃない?とか、ラノベや漫画じゃないんだから、とも思ったのですが、観終わった後にじっくり考えてみると、彼らは極めて真っ当で、悪いことはひとっつもしてなくて。波紋を呼ぶかもしれないけれど、キリスト教徒としても人間としても素晴らしい選択をしたのだと納得しました。何より、選ばれた新しい教皇は素晴らしい方だと映画の中で証明されていて。カトリック聖職者たちの良心を信じることができる映画でした。

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