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黄の失踪
赤い夕陽が西の空に沈もうかという時
男は街に着いた。
馬から降り、街の中を歩く。
男は武館の前に立った。
中庭に掃除している少年がいた。
「私は王と言いますが黄先生はいますか?」と王は少年に聞いた。
「先生は昨日、出かけました」と少年は答えた。
「どちらに行きましたか?」
「さあ、それは分かりません」少年は答えた。
「そうですか。それでは失礼します」そう言って王は武館を去った。
「黄の奴。何処に行ったのだろう」そう思いながら、王は酒店に向かった。
街を歩いていると人だかりが見えた。
若い娘と男が戦っていた。