言の刃
私は刀
五十の音を
長く連ねて
人を傷つける
そんな刀
鋭い刃先を
あの人の胸に突き立てて
今日も一人ずつ斬っていく
人斬り刃物
五十の子
人斬り刃物
いけない子
私は刀
五十の音を
乱雑に繋げて
皆壊していく
そんな刀
鈍い光を
一身にまといながら
今日も皆を壊していく
人斬り刃物
暗闇の子
人斬り刃物
冷たい子
人斬り刃物は奪っていく
喜楽を斬って奪っていく
あの子の笑顔は飛んでった
その子の笑顔も飛んでった
みんなみんな怒ってる
みんなみんな泣いている
人斬り刃物は泣いている
みんなに隠れて泣いている
声はたてず
涙は枯れた
人斬り刃物の目的は
人斬り刃物の本心は
みんなみんな分からない
みんなみんな気にかけない
人斬り刃物は今日も泣く
あの子もその子もきっと泣く
理由は違えどきっと泣く
人斬り刃物は一人ぼっち
たった一人で泣いている
感情に任せて言い放った言葉の刃の数々。
言ってから時間が経つと興奮は覚め、後悔が残る。
まさしく口は災いの元ですね。