転生した
私が転生したのは、魔法が使え、妖精やドラゴン、魔族などのファンタジー生物が存在する世界だ。
生活水準などは、中世のヨーロッパと似たようなものだろう。
つまり、王族や貴族なんていうものもいる。
そう、皆憧れの金髪碧眼の王子を取り合う、色とりどりの派手なドレスを着て、おほおほ笑ってる貴族が居るのだ。
え?認識が可笑しいって?
いや、でも私の姉たちは皆そんなんだぞ?
素顔が判別出来ない程の厚化粧を施し、髪をゴテゴテに盛って、目に痛い色ちがいのドレスを着て、臭い香水を撒き散らし、思わず裸足で逃げ出したくなるほどの顔つきで舞踏会という名の戦場へ行くのが、貴族ってもんじゃないの?
それに、私まだ生まれてまだ7ヵ月しか経ってないから、他の貴族はどうなのか知らないし。
え?生まれて7ヵ月なのに、なんでこんな感じなのかって?
だから、最初に言ったじゃん。
転生したって。まったく、ちゃんと読んでよねっ!!
とにかく、この世界に私は転生した。
生まれてきた家は家族や回りを見れば、金持ちだって事は想像できる。だって、メイドさんとか執事さんとかが居るんだよっ!?
それに、この前父が公爵さまとかって言われてたから貴族だろうね。
貴族だったら、贅沢しほうだいじゃーんっ!!ワッショーイ!!
とかって思ってた時期が有った。ええ、思ってたんだよ。
だが、私ことジュリアス・エド・ダルテスはダルテス家の四男坊。そう。四男坊なんだよ。前世女だったから驚いたけど別に、性別の事はどうでも良い。問題なのは、女性と長男以外は自分で仕事を探さないといけないということ。
思わず、頭を抱えた。
とある一室で頭を抱えた赤ん坊を見たという者たちが居たが、その者たちの訴えは聞いてもらえず、疲労で幻覚でも見たのであろうとされた事を私はまだ知らない。
後にも、考え込む赤ん坊や遠い目をした赤ん坊を見たという者が続出する。
その者たちも皆、疲労で幻覚を見たという事にされた。