旅行
懸賞。
それは、限られた者にしか与えられない女神の果実。
そして俺は、
選ばれし者となった。
「イイイイヤッホー!」
子供のようにはしゃぐ我らがヒロイン(?)天野未来。
「あははは♪」
それと一緒にはしゃぐ流田明良。
はしゃぐのも無理はない。
俺たちは実験都市の外、グアムに来ているのだ。
この俺でさえもテンションが上がる。
懸賞でグアム3泊4日の旅行を当てた俺の運の良さを誉めてほしい。
そういえば、風見が帰って来ないな。何やってんだアイツ。
「ぜえ、はあ、ぜえ、はあ、ぜえ。」
よろよろとおぼつかない足取りで歩いて来る人影が一つ。
ここは俺たちが貸切状態であるので、当てはまるのは一人しかいない。
「風見ー何やってたんだよ」
「うるさいわ!何で僕が全員分のヤシの実ジュース買ってこなきゃいけないんだよ!お前らで行けばよかったのに!」
「そんなめんどくさいこと誰がするかよ」
「やれよ!」
「おーい、お前ら!
風見がジュース買ってきたから少し休憩しようぜー」
「「は~い」」
海で遊ぶ二人に大声で呼び掛ける。
そんな平和なビーチ。
「目標を確認。
現地時間3日後午前6時より、作戦を実行する」
2日目
清々しい朝。
「さてと今日は何するかな~っと」
今日の予定を考えながら背伸びをする。
すると、
バタァン!
ドアが勢いよく開き、二人の女の子が現れた。
「きょ、きょきょきょ今日から2日間で、」
「私たちと」
「「1日デートしてください!」」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「は?」
何を言っているんだ、コイツらは。
1日デート?何のドッキリだ。
コイツらにフラグが建ってるのは知ってる。
しかし、こんなイベントを起こすとは思わなかった。
「OK、大体わかった。
で、今日は一体どっちとデートすることになるんだ?」
「そ、そそそそれを今から決めるのよ」
「二人でじゃんけんして、勝った方が今日、負けた方が明日・・その・・・あの・・・デートするの」
なるほど。
「じゃあさっさとやってくれ。俺だってデートの時間はたっぷり欲しいからな」
今までで最高の爽やかスマイルを送る。
「・・・・・・・・ッ!」
くらり
と、二人が同時によろめく。うん、やっぱ面白い。
「そ、そこまで言うなら仕方ないわね!」
「は、早く終わらせよっか・・・・」
二人とも顔を真っ赤にしてじゃんけんを始める。
「「最初はグー、じゃんけんポン!」」
さて、どっちと行くことになるんだ?