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神の遊戯  作者: 衆人
第1章
6/21

陰謀

白神馨を倒した後、僕は部屋をくまなく探索した。部屋の隅にボタンがあったので、押してみた。

ドンッ

ぐしゃ

後ろから水っぽい音が聞こえた。

別にグロテスクな死体になるのは望んでなかったが、結局こうなるらしい。

その隣にレバーがあったので、引いてみた。

ゴゴゴゴゴゴゴ

床が昇り出した。だんだんと天井に近づいていく。

なるほど、エレベーターだったのか。

あ、これ、昇るのはいいけど、どうやって戻ろう。

「ま、いいか」




エレベーターに乗って上へ行く。

『実験場でございまぁ~す♪』

何故かノリがいいアナウンスの直後、結構大きめの月が僕を見下ろしていた。

そう言えば今日はスーパームーンだったな。

本当なら今頃は建物のないド田舎で天体観測してたはずだった。

「さっさと終わらせるか・・・ッ!?」

能力を使用し、飛びすさる。

ゴアァッ!

今までいた場所にビームが突き刺さる。

「くっ・・・」

爆風で態勢を崩してしまう。

続けざまにビームが放たれる。

空中でのベクトルの演算は必然的に落下のベクトルを計算しなければならず、タイムラグが生じる。

今演算式を組み立てても間に合わないのだ。

僕はここで死ぬのか。

と思った瞬間、見慣れた人物が目の前に現れた。

「勝手に死んでんじゃねーよ、バカが」

ドッゴォッ!

目の前の人物にビームが炸裂した。が、効果はなかった。

彼こそ、僕の幼なじみにして、超能力『鋼鉄(メタル)』を持つ超能力者、

神代慎二。

「慎ちゃん・・・どうしてここに?」

「お前は熱くなりやすく、油断しやすい。そんなヤツをみすみす一人でいかせるかよ」

「全部お見通しだった訳か」

我ながらしてやられたものだ。

「お~い、慎二君~!哲也君~!」

「もう!心配したんだからね!慎二!」

向こうから流田明良ちゃんと天野未来ちゃんが駆け寄ってきた。

2人とも慎ちゃんしか心配してないのが腹立つ。

さて、メンバーも揃ったし、

「ラスボス戦といくか!」

あ、台詞盗られた。




「そこにいんだろ、木邑次元(きむらつぐもと)

俺はビームを発射したであろう人物を呼んだ。

「まさか名前まで調べているとはな。感服した」

「あんたの名前知らない方がどうかしてるぜ。

宇宙生物学の世界的権威、木邑次元」

遠くに白衣を着た研究者が見え、こちらに近づいて来る。

「一応言っておくが、あのビームを発射したのは私ではない」

「何?」

意外な答えが返ってきた。コイツじゃねぇとすると誰なんだ?

「撃ったのはこの・・・」

と言いながら、リモコンを操作する。

そしてそこに現れたのは、

VOAAAAAAAAAAAA!!!!!

耳障りな雄叫びを上げ、微妙に光っている肉塊だった。

「『能力魔獣(スキルビースト)』だ」

やれやれ、これはサービス残業どころじゃ無さそうだな。

「詳しい解説わしてもらいてぇな。

後で報告書書かなきゃなんねぇから」

「いいだろう」

すんなりOKが出た。普通ならこういうとき、

『お前たちに話すことなど何もない。何故ならここで全員死ぬからな!』

とかなるはずだったんだが。

「そこの茶髪の少年の家は米軍のエリア51と関わっていてな」

「「「え、マジ?」」」

俺たちが風見に質問する。

そんなことある訳・・・

「うん、マジ」

あったああああ!!!

「え!?は!?何で!?」

「知らない」

ちっ、使えねぇな。

「まあ、気を取り直して、続けてくれ」

「ああ。

で、エリア51には宇宙生物が収容されていて、その細胞を少年の病院から職員を金で釣って拝借した。

その細胞を利用して作ったのが人工生命体、能力魔獣(スキルビースト)なんだ。

私は知的生命体全てに能力が使えるか試したかった。だから細胞を培養して、人間の脳細胞を移植して、知的生命体を創った。

どうやら能力というのは完全にランダムで決まるらしい。これの能力は『武装(アームズ)』。

自由に武器や防具を生成する能力だな。

さっきの砲撃はそれによるものだ。」

なるほど、大体わかった気がする。

「で、ソイツを創った目的は?」

「兵器として米軍に売り付ける。アメリカは今戦力不足らしい。だからこれが欲しいんだと。」

「いわゆる陰謀ってやつ~?」

「そうなるな」

うーむ、知的生命体を創るという行為自体倫理的にNGだし、こんな危険なヤツをみすみすアメリカに売り付ける訳にはいかない。

結論。

能力魔獣(スキルビースト)の処分。

いいな、木邑次元」

「ああ、構わない」

理解が早くて助かる。

「よーしお前らー、アイツぶっ殺すぞー」

「やっぱりそうなるんだよな」

「お約束よね」

「無かったことにしちゃうんだよね~」

3人から呆れたような感想が漏れる。

「ぐたぐだ言ってんじゃねぇよ。

さっさと終わらせて帰るぞ」

「「「おー」」」

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