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星のひかり  作者: 五十鈴スミレ
本編
2/101

幕切れ 最後に見えたのは



 時々、急に周囲の音が聞こえなくなることがあった。

 視界がかすれて、奇妙な浮遊感を覚えて。現実から隔離される。

 それはいつも数秒足らずのことで、他の人にはぼうっとしてるだけに見えるらしい。


 子どものころから続いていて、すでに慣れてしまってたから、特に気にしたことはなかった。

 疲れているのかなぁ。その程度ですましてた。




 わたしは、たしかに不用心だったかもしれません。


 だからってこれはないと思うのです、いらっしゃるかわからない神さま仏さま。




「――光里ひかりっ!!」


 遠くで友だちの叫び声がする。


 テスト前で憂鬱。駅前に新しくできたカフェに行ってみよう。数分前にはそんな普通の会話をしてた。

 交差点で信号待ちをしてるとき、急に話し声が聞こえなくなって。

 ああ、またか。って、わたしは落ち着いていて。


 気づいたときには、横断歩道のど真ん中。

 友だちの声に振り返ろうとしたわたしが見たのは、こっちに猛スピードで走ってくるシルバーの車。


 ……絶体絶命?


 感覚が完全に戻ってなかった身体は、言うことをきかない。

 これは無理だなぁ。わたしはぼんやりそう思った。




 最期に見えたのは、青信号。


 よかった、信号無視はしてなかったらしい。

 運転手側の過失だから、ちゃんと慰謝料ぶんどれるね。なんて、こんなときに何考えてるんだか。

 走馬灯のように過去の映像が駆けめぐる、とかいうこともなかった。


 すぐ近くで風を切る音。人の悲鳴。

 衝撃は、一瞬。


 あとはもう、何も聞こえなくなった。





 あの、いつもの浮遊感を、いつもより強く感じた。







転生ものが書いてみたくて、連載を始めてみました。

とはいっても改革やら何やらといった感じの波瀾万丈な人生は歩みません。

?つきのタグが二つもあるような話ですが、よろしくお願いします。

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