戯曲 二人フランケンシュタイン
場所 人造人間を造った博士の研究所
登場人物 博士
人造人間
語り役
第一幕 博士の研究室
(博士、研究室で仕事をしている。そこへ人造人間登場。)
人造人間 博士、ちょっとお時間よろしい
でしょうか?
博士 何だね、人造人間君。
人造人間 そろそろ私に名前をつけて
いただきたいのですが・・・。
博士 名前? 君の名前は
「フランケンシュタイン」だろう?
人造人間 それは博士、あなたの名前です。
私はまだ、名前をつけてもらって
ません。
博士 でも、みんな君のことを
「フランケンシュタイン」って
呼んでるぞ。
人造人間 それは誤解です。
博士が私に名前をつけてくれないから、
私の名前が「フランケンシュタイン」
だって誤解されて、それが広まって
しまったんです。
博士 うーん。まあ、良いんじゃない?
もう「フランケンシュタイン」って
いう名前で定着してるわけだし、
今のままで良いんじゃない?
人造人間 しかし、私も博士も
「フランケンシュタイン」で
同じ名前だと、ややっこしくて
いけません。
博士 ああ、それは大丈夫。
僕は「フランケンシュタイン博士」、
君はただの「フランケンシュタイン」。
どうだ、違うだろう?
人造人間 そんなこと言うなら、私は今日から
猛勉強して、大学院に行きますよ。
そして博士号を取ります。
そうしたら二人とも
「フランケンシュタイン博士」で、
同じになってしまうんですよ。
それでも良いんですか?
博士 なるほど。その時は二人とも同じに
なって不便だろうな。
そうだな・・・。
そうだ、こういうのはどうだろう?
僕は「フランケンシュタイン」で、
君は「二代目フランケンシュタイン」。
君の方が後から生まれたから、
君が二代目だ。
人造人間 私は二代目を襲名するんですか。
襲名披露をしなければなりません
ね・・・。
しかし、博士の二代目を襲名する
ということは、私も博士のような
立派な学者にならなければならなく
なるのでは・・・?
博士 そのとおり。だから君には今日から
猛勉強してもらう。
君は自分で言ったよな?
「猛勉強して大学院に入る」って。
いやだとは言わせないぞ。
人造人間 いやあの、私はただ、名前をつけて
ほしかっただけなんですが・・・。
博士 よし、行くぞ!
さっそく授業だ!
なに、私が基礎から教えてあげるから、
心配いらない。
博士号目指して一緒に頑張ろう、なっ?
(博士、人造人間を引っ張って出ていく。
語り役登場)
語り役 かくして人造人間フランケンシュタイン
の、長く苦しい猛勉強の日々が
始まったのであった。
(幕)
いかがでしたか?
「フランケンシュタイン」という名前は本来、人造人間を造った人の名前であって、人造人間には名前がないという設定だったそうです。
それがいつの間にか、人造人間の方が「フランケンシュタイン」と呼ばれるようになってしまった。
そこから、こんなお話を考えてみました。




