故郷
「うおおおお!」
俺は船から体を投げ出し、海に飛び込んだ。
水の中に落ちたあと、手足を動かして浮上する。
「はあ、はあ」
頭を水の上に出して、さっきまでいた船を見る。
船は俺が逃げたことには気づいていないのか、そのまま進んでいく。
俺は必死に泳いだ。
何度も腕を動かし、足を振り。
岸に向かって泳いでいく。
溺れそうになりながらも必死に泳いでいった。
そしてようやく、岸にたどり着いた。
岸にたどり着き、浜を歩く。
そして土の上でようやく座り込んだ。
開放感を感じる。
俺は逃げられたのだ。
「やったぞ……」
どうにかして逃げることができた。
とはいえ、気になる事もある。
一面灰色の砂。それが続いていた。
「ここはどこなんだ?」
どこにたどり着いたのかもわからない。
村に帰るにはどうすればいいのだろう。
だから俺は立ち上がり、そのまま歩く。
そしてそのうちに、見覚えのある建物があった。
灰色の大地の上に立つその家。
「俺の家?」
見間違いようがない。
どう見ても俺の家だった。
だけどなぜここに?
問いかけても誰も答えない。
誰もいないのだから当然だ。
だがなぜ。
「あ?」
気が付けば身体が皺だらけになっていた。
「え?」
なぜ?と思う間もなく、身体が崩れ。
そのまま意識がなくなった。
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