作品説明:①タイトルには狙いを詰め込む
作品を投稿するにあたって、たくさんの読者に読んでもらえるほど評価が増えやすくなります。どれだけ面白い話を書いても、読んでもらえなければ評価はつきません。
作品を読者に見つけてもらうために、まず最初に目に入るのは「タイトル」であり、そこを工夫している作品は数多くあります。
■ タイトルの役割
・インパクト
単に勢いや衝撃を与えるといったことではなく、読者に「引っ掛かり」を与えるものです。流行のワードを入れたり矛盾する単語を並べたりして、読者の好奇心を煽ります。
・作品の説明
タイトルの時点で大まかな話の内容が分かれば、読者は期待感、安心感を得られます。「面白そう」と思ってもらうための判断材料が多ければ多いほど、読者に興味を持ってもらいやすくなります。
・覚えやすさ
タイトルがどれだけ読者の頭に残りやすいか、と言い換えることもできます。
読者が他人に勧めたりするときにするときに効果を発揮する、中長期的目線の仕掛けです。
■ 説明的な長文タイトル
少なくともこの小説家になろうにおいては、長めで内容を説明するタイトルが主流です。トップページや作品検索画面 (スマホ)に出てくるのはタイトルだけなので、そこに情報を詰め込むのは確かに合理的です。
こういったタイトルはシンプルに長いということがインパクトにつながり、作品の内容を詳細に説明している、というタイトルとしての機能がちゃんと備わっています。半面、覚えやすさは犠牲になっています。
「最近、なろうで小説読むのにハマってるんだよね」
「へー、そうなんだ。今は何を読んでるの?」
こういう会話になると困ってしまいます。(大抵、無難な有名タイトルを挙げて誤魔化しています)
こうしたタイトルの特徴(制約)として、以下のようなものがあります。
・典型的な「なろう系小説」を期待される
タイトルを見た読者は「なろうっぽさ」を想起し、期待をします。つまり、ライトノベル調の軽い文体で、テンプレを基調にした勧善懲悪ストーリーです。
たとえば、もし『シンデレラ』のタイトルが『きらびやかな姉たちでなく、ズタボロ服の私でいいのですか? 無口な冷徹王子に溺愛されて幸せです』だったとしたら、どうでしょうか。
「庶民の主人公が王子に見初められ結婚する」、「高慢な姉たちが不幸な目に遭う」ことを読者は少なからず期待するのではないかと思います。
もし、「恋に落ちた主人公と王子を戦争が引き裂く」、「王子が戦死し、主人公が後を追う」という悲恋の話が展開されたら、タイトル詐欺だと思われても仕方がありません。
・タイトルで書いた展開通りに書く必要がある
タイトルに話の内容を書いた場合、当然ですがその通りにする必要があります。
もし『桃太郎』のタイトルが、『桃から生まれた男、犬猿雉を引き連れて鬼を懲らしめる』というタイトルだったなら、桃太郎は鬼退治をしないといけません。
「実は真の黒幕は城に住む将軍様で、桃太郎と鬼は協力して将軍様を倒す」という展開にしたら、これまたタイトル詐欺になってしまいます。
■ 短いタイトル
なろうの王道からは外れるかもしれませんが、こうしたタイトルを付けることにも意味はあります。
・「なろうっぽさ」が薄いことを明示できる
作品の内容が純愛小説や本格ミステリーなどなろう的でないのであれば、「そういう作品ではない」ことを示すのは完全に正しいです。
・一個のキーワードを読者に印象付けられる
作品を象徴する重要なキーワード一個を押し出すようなタイトルにすれば覚えやすく、より強いワクワク感を与えられる可能性を秘めています。
・短いタイトルでもインパクトは作れる
なろうでよく見るタイトルも読み解いていくと実はそうした構造になっています。「有能なのに追放」、「冷酷なのに溺愛」、「無能スキルなのに無双」、一見矛盾する単語を置くなどすることで、読者に気になるという感情を植え付けます。
■ どういうタイトルにするのが正解か
作品次第です、と言ってしまえば簡単ですが、大事なことがあります。
「インパクト」、「作品の説明」、「覚えやすさ」はトレードオフではないということです。
一見、どれかを取ってどれかを捨てなければならないと思いがちですが、そうではありません。
長いタイトルでもキャッチーな単語を入れて覚えやすくしたり、短いタイトルでも重要なキーワードを押し出す形で作品の要点を伝えたり、やれることはあります。
読者に読んでもらうための工夫を詰め込むことが、タイトル作りでは重要です。
【今回のまとめ】
・タイトルは読者に見つけてもらい、評価されるための土台を作る要素である
・タイトルは「インパクト」、「作品の説明」、「覚えやすさ」を考慮してつける
・これらの要素はトレードオフではなく、できるだけ両立できるよう工夫する




