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キャラクター設定:②細かい設定よりも行動原理を重視する

 キャラの設定は、決めようと思えばいくらでも細かく決められます。


・年齢

・職業

・外見

・家族構成


 挙げればキリがありません。


■ キャラの共感性とは

 「共感できるキャラを作れ」というのは小説の書き方を調べているとよく目にする言葉です。


 「共感」と一口で言っても、いくつかの種類があります。


・自分と性格や境遇が似ており、自分を投影できる

・考え方や行動に納得感があり、理解ができる


 上は完全に読者依存の概念です。作者側で狙って作れるものではありません。ですが、下は作者側で作り出せる要素です。


 「キャラがどう考えてどう行動するのか」という、行動原理と呼ばれるものです。


 つまり、共感性は「行動原理の納得感」に置き換えることができて、その行動原理に納得することができれば、そのキャラを応援したくなり、目標を達成したら嬉しい気持ちになります。


 それが、小説を読んだ時の満足感、面白かったという感想につながってくる。だからこそ、共感性が大事だと言われるのです。


■ 物語はキャラの「異常な行動」から始まる

 すべてのキャラがすべての場面で常識的な行動を取っていたとしたら、それはただの日常風景であり、物語にはなりません。


 物語は、特定のキャラの異常な行動から展開されていきます。


 ここで言う「異常な行動」とは、突飛なことをするという意味ではなく、そのキャラの価値観に照らすとやらずにはいられない行動、のことです。


 いじめに真っ向から異を唱えるとか、皆が嫌がる仕事を率先してやるとか、そういう「普通はやらない、できない行動」も含まれます。


 『桃太郎』で言えば、川に流れるありえないほど大きい桃を持ち帰ろうと思い至るおばあさんがいなければ、話が始まりません。


 『走れメロス』で言えば、メロスが正義感から暴走して捕まらなければ、話が始まりません。


 それらはキャラの異常な行動原理から始まっており、そこに読者が共感できるかがカギになります。


■ キャラクター設定で深めるべきこと

 名前や職業など基本情報以外では、行動原理につながる設定が最優先です。


 「性格」と一言で言ってしまえば簡単ですが、大事なのは「なぜそういう風に考えるようになったのか」です。『走れメロス』の例であれば、


・牧者である → のどかな暮らしで、穏やかな性格

・両親を早くに亡くし、妹と暮らしている → 家族愛が強く、思いやりがある


 これらは、「メロスが良い人である」という基本の設定を形作ります。


・庶民の生まれである → 王族に対して、悪行を知ったときの怒りが際立つ

・学がない → 理屈よりも感情が先に出る


 これらの設定は、「メロスが王城に突撃する」=「物語を動かす異常行動」の原因になります。


 そして、メロスがしたこと、


・多くの人を殺した王に激怒する

・王を殺すために王城に向かう

・失敗して捕まる


 これらとメロスの行動原理と照らし合わせて釣り合っていれば読者は納得でき、それが「共感」へとつながります。


 実際、この行動に納得感があるかどうかは賛否が分かれるところです。


 王に激怒するのは正当性が高いです。しかし、「じゃあ王を殺してしまおう」と考えるのは、納得できる読者もそうでない読者もいるでしょう。


 この設定で上手いのは、メロスが暗殺には失敗しているということです。


 メロスが王の殺害に成功して、殺人者として後のストーリーが進んでいったとしたら、だいぶ印象が違うはずです。メロスが殺人未遂(なんなら王の前までたどり着いてすらいない)程度の罪人であることが、メロスへの共感(同情)の余地を残す結果になっていると分析できます。


 こうしたストーリーにかかわる設定は、キャラの細かい設定(身長、体重、血液型、趣味、好物など)よりもはるかに重要で、まず最初に決めるべき設定です。


【今回のまとめ】

・共感性は「行動原理の納得感」に置き換えられる

・キャラの行動原理を、納得感のある設定で説明していく

・行動原理につながる設定を詳細化することで、共感できるキャラを作っていく


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