ストーリー設計:⑥シーンではキャラを動かす
ストーリー設計が固まったら、あとはシーン(場面)ごとの細かい描写を決めていく段階になります。
■ シーンの定義
シーンは、基本的には「時間」と「場所」で分けます。
学園ものであれば、教室、校庭、体育館、音楽室など。同じ時間帯、同じ場所で起こった出来事は一つのシーンとして、場所を移動すると別のシーンに切り替わります。
同じ場所でも長時間、複数の出来事が起こる場合は、別シーンとして扱ったほうが設計上分かりやすくなります。たとえば、体育祭の話であれば、プログラムの競技ごとにシーンを分けたほうがいいでしょう。
■ シーンの目的を意識する
シーンには目的があります。ラストシーンから序盤の設定説明まで、大小さまざまなシーンがあり、そのすべてに意味があります。
シーンを書く際には、その目的を満たすように書くことが基本の方針となります。
一度書き終わったら、シーンが目的に沿っているかをチェックします。夢中で書いて、目的から逸脱してしまってはいないか。必要に応じて軌道修正していきます。その際、
・キャラおよび読者に対して、そのシーンで伝えるべき情報が含まれているか
・そのシーンにおけるキャラの感情を表現できているか
こういった、情報設計や感情設計に絡む観点でチェックすることも必要です。
■ 説明ではなく、ストーリーを進める
シーンの目的に沿って、伝えるべき情報を書く。それだけでは、ただの文章であり、物語にはなりません。
設定の説明などはどうしても必要になってきます。ですが、それを出来事と、キャラの言動によって伝えるのが小説です。
たとえば、「主人公はお人好しな人間だ」というのは主人公の人間性を過不足なく「説明」しています。ですが、物語としては面白い要素が何一つなく、印象にも残りにくいです。
一方で、「転んで泣いている子どもを慰めるシーン」、「お年寄りの荷物を持ってあげるシーン」はベタですが、主人公の人間性を伝える描写になります。
間接的な表現なので、言葉で伝えるよりも情報としては弱くなりますが、絵が浮かぶので印象には残りやすくなります。
何より、説明ではなく出来事であれば、ストーリーに組み込むのも容易です。ヒロインが「主人公、いっつもそんな感じだよね」などと声を掛けて、自然にヒロインの紹介につなげたりもできます。
シーンはあくまで「ストーリーを細分化したもの」であり、キャラを動かして「話を先に進める」ことが大前提の役割となります。
【今回のまとめ】
・シーンごとに目的を決めて、そこから逸脱しないように書く
・シーンでは説明よりも、出来事を起こしてキャラを動かす
・シーンはストーリーを細分化したものであり、話を先に進めることを念頭に置く




