ストーリー設計:④読者感情を制御はできないが想像はする
感情設計、という言葉があります。もとはWEBデザインの考え方と思いますが、ユーザー(読者)の感情を意図的に動かそうとする考え方です。
私は、この考え方はあまり好きではありません。
作者ごときが読者の感情をコントロールしようなどおこがましい、と感じます。読者目線で考えても、「泣ける」、「心が温まる」というような、こちらの感情を決めつけてくるような表現には腹が立ちます。
■ 作者自身のための感情設計
とはいえ、作者目線で「作品をどう読んで欲しいか」という考えは存在します。あくまで作者の主観として、ここは笑えるシーン、ここは泣けるシーン、というようなイメージはあるはずです。
それを、ストーリーに当てはめてみます。ストーリーの起伏に対して、キャラ(主に主人公)がどういう感情を抱いているか……一般的に言う、感情曲線を描きます。
それは何のために書くかというと、読者のためではなく「作者自身のため」です。
■ 感情設計を執筆に生かす
たとえば、ストーリーの中で泣き展開を作りたいとします。泣き展開を意識すると、地の文や情景描写のトーンが確実に変わります。
・台詞と対比して、地の文は感情を抑えた静かなトーンになる
・空行を多めに入れて、間を作ったり空虚な感情を表現する
・「強く握った拳」、「顔が見えない後ろ姿」など、感情を表す人物描写を入れる
・「色が消える」、「陶器が落ちて割れる」など悲しみを表す情景描写を入れる
こういったことを自然としたくなり、淡々と事実を並べただけの文章に、色がつきます。
わざわざ感情曲線など書かなくてもできる、と思う作者の方もいるでしょうが……情景描写が苦手で、どこにどの程度の描写を入れればいいのかいつも迷うタイプの作者(私はこのタイプです)にとっては、大きな指針になります。
【今回のまとめ】
・感情設計は読者をコントロールするために行うものではない
・展開のトーンに合わせた文章を書くために、感情曲線を書いて整理するのは有効な手段




