箱の中に箱がある
箱の中に箱がある。
その箱の中にまた箱がある。
私は目覚めるとこの白い部屋に立っていて、そして白い机の上に置かれた白い箱と相対していた。
箱はごく普通のいわゆる化粧箱に見えた。蓋と本体が切り離された形の白い箱だ。
その箱を開けると一回り小さな箱が入っていた。
その箱を開けたら、さらに小さな箱が入っていた。まるでどこぞの国の民芸品だ。
私は箱がどれほど入っているのか知りたくなった。
箱を開ける。また箱が入っている。
箱を開ける。また箱が入っている。
箱を開ける。箱が入っている。箱を開ける。また入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。入っている。開ける。
米粒よりも小さくなったその箱を私は爪の先で開く。
机の下へ落とさぬように慎重に中を取り出す。部屋が揺れた気がした。
私は指先に乗ったその箱を開ける。
不意に手元が暗くなる。
見上げると、天井が開いていた。
巨人の開いた瞳孔が見えた。