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なんとか短編集  作者: 月這山中


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夢を解剖しても会えない

 ()()夢を()()のは、()()()9回目()()()


「あの」

 遠いものを指す語。


「見た」

 過去形。


「これで」

 近いものを指す語。


「だった」

 過去形。



「あの夢」

 話者から対象への距離を感じる。対象は『夢』

 9回目という回数から過去に見た夢の話も含めていることがわかる。


「見た」

 『夢』にかかっている。

 過去形なので、たった今夢の中にいるわけではなく起床後であることがわかる。


「これで」

 9回目の夢を見たという「経験」にかかっている。

 昨日の夜か今朝方程度に近い時間の経験であることがわかる。


「だった」

 過去形。

 過ぎ去った経験にかかっている。たった今夢の中にいるわけではなく起床後であることがわかる。


「あの夢を見た」

 話者から対象への距離を感じる。

 たった今夢の中にいるわけではなく起床後であることがわかる。

 あの夢だったと、判別できるほど夢の内容を起床後も覚えていることがわかる。

 覚えていることがわかる。


「これで9回目だった」

 夢の経験を数えている。

 近過去、昨日の夜か今朝方程度に近い時間の経験であることがわかる。

 たった今夢の中にいるわけではなく起床後であることがわかる。

 9度同じ夢を見て、それらをすべて覚えている。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。のに、なぜ。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。のに、なぜ、会いに来てくれないのか。


「あの夢を見たのは、これで9回目だった」

 君は覚えている。のに、なぜ、会いに来てくれないのか。

 私の夢を覚えている。

 私を何度も夢に見ている。

 私を。



 あの夢を見たのは、これで9回目だった。



  了

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