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なんとか短編集  作者: 月這山中


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バッファロー叙事詩

――我には三分以内にやらなければならないことがあった。

あった。

あったのだ。しかし。

このバッファローの群れによってそれは露と消えた。

バッファロー。

我を飲み込まんと迫ってくる。嗚呼、城が崩れる。世界が崩壊する。

我が、消える……――


王城は土台から崩れていく。

窓を破られ柱を折られ見事な彫刻も塵芥と化していく。

この国を終わらせたのは一人の勇者でも徒党を組んだ民衆でもなかった。

バッファローだ。

どこからともなく現れたそれは城へ雪崩込み、悪王を討ち滅ぼした。

民衆は喜んだ。

世界は救われた。と。

民衆はバッファロー達を讃えた。

盛大な祝祭を開いた。


バッファロー達は何も言わない。

ただ、突き進む。

ただ、全てを破壊する。


王城を破壊しつくしたバッファローの群れが次に向かったのは貴族の屋敷だった。

民衆は傲慢な貴族が引き潰されるのを喜んだ。

屋敷を潰しつくしたバッファローの群れが次に向かったのは商人街だった。

民衆は強欲な商人が撥ね飛ばされるのを喜んだ。

商人街を滅ぼしつくしたバッファローの群れが次に向かったのは工場だった。

民衆は喜んだ。

バッファローの群れは学校を破壊した。

民衆は黙った。

バッファローの群れは住宅を破壊した。

民衆は逃げ惑った。


バッファロー達は何も言わない。

ただ、突き進む。

ただ、全てを破壊する。


森が倒れ山が崩れやがて彼等が走る土地も削れ煙となり空へと消えていく。

橋が落ち河が蒸散し海が干上がり世界そのものが破壊されていく。

星の核が剥き出しになりマントルを蹴散らしバラバラの星屑となる。

空間が凝集し星がぶつかり合い、膨張を続けていた宇宙はビッグバン前に戻った。


世界はバッファローの群れだけになった。

明かりひとつない真空の空間を、バッファローの群れだけが走っている。


バッファロー達は何も感じない。

ただ、突き進む。

ただ、全てを破壊する。


バッファローの群れが次に向かう場所がどこになるのか。

それを観測する者はもういない。


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