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なんとか短編集  作者: 月這山中


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23/37

全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れのローストビーフ

肉捌弥太郎にくさばきやたろうには三分のうちにやらなければならないことがあった。

全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れを料理するのだ。


質量のある肉の嵐が弥太郎へと迫る。

弥太郎は先頭を争うバッファローのひとつに飛び掛かった。

角に捕まったまま腰に吊るしたガットナイフを取る。皮を剥ぐ。興奮したバッファローは痛覚を遮断している。そのまま肩を切り取った。胸を切り取った。見事な手捌きで骨から外す。次のバッファローへとりかかる。

蹴り殺されるかもしれない、角に貫かれるかもしれない。それでも弥太郎は捌く。

捌く、捌く、捌く。

弥太郎によって全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れは瞬く間に磨かれた肉塊となった。

慣性の法則により肉は未だ走り続けている。

弥太郎は群れの進行方向を調整して煮えたぎる火山へと誘導した。

焼ける、焼ける、肉が焼ける。

舵を取りナイフで表裏を回しながら全てを破壊しながら突き進むバッファローの肉を焼いていく。適度に切れ込みが入った表面を焙られたそれらは次に街へと走る。

道路には大砲が居並ぶ。その間を肉の群れと共に弥太郎が駆け抜ける。

大砲から放たれるのは鉄塊ではなく弥太郎によって調整されたソースだ。

放つ、放つ、放つ。

味付けを纏った肉たちはまた火山へ登る。

これを往復すること三回。

ミディアムレアのローストビーフになった。

町の広場へローストビーフは突き進む。

弥太郎はそれを一口サイズに切り刻み、広場中央に据えられた大皿へと盛っていく。

盛る、盛る、盛る。

最後の一切れを盛り終えた時、ようやく弥太郎は地上へ降り立った。

大鍋で湯がいてあった野菜をローストビーフに散らしていく。

計算された色彩で皿を彩っていく。

ローストビーフの大皿が完成した。

街の人々は歓声で弥太郎を出迎えた。

弥太郎は手を振る。

そのうちの一人、ちいさな子供が言った。

「ブロッコリーきらい」

弥太郎は笑って彼に伝えた。

「野菜も食べなきゃ、大きくなれないぞ」


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