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なんとか短編集  作者: 月這山中


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恋はアイダホの嵐のごとく

 新島沙央莉には三分以内にやらなければならないことがあった。

 髪を整え、化粧をし、服を着替えてこれで準備万端のはずだった。

 初デートの約束まで残り三分という所で見つけてしまった。


 頭に角が生えている。

 バッファローの角が。


 なぜ今まで気付かなかったのか、沙央莉にはわからない。


 のこぎりで切る? 三分では終わらない。

 仮病でドタキャンしちゃう? 三分前にドタキャンは感じが悪い。

 ファッションの一部にしちゃう? ありえない。


 一縷の望みをかけて沙央莉はAIに相談した。


「デート当日にバッファローの角が頭に生えていました。三分以内にできる対処法を教えてください」


 するとAIはこう答えた。


「もしこれが仮想的な状況やジョークであれば、角を隠すために帽子やヘアバンドを使うなどのカモフラージュが最も即座かつ簡単な対処法となるでしょう。しかし、もしこれが本当の状況であれば、専門家の助言を求めることが最善の選択です。」


 一番あり得ない案を推されてしまった。AIは頼りにならない。

 ちなみにバッファローという名称はバイソン等に使うと誤用らしい。そんなことはどうでもよくて。

 チャイムが鳴った。

 沙央莉は意を決して玄関扉を開く。


「ごめんなさいケンジ君、今日のデートなんだけど……」


 扉を開くとそこにはバッファローが居た。


「きゃああああっ!!」


 沙央莉は扉を閉めた。バッファローは扉を破壊した。

 バッファローは一頭ではなかった。全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れが彼女の家を襲った。

 沙央莉は二階へと逃げるが、バッファローは階段を踏み壊し他の牛を踏み台にしながら追ってくる。


「助けて、ケンジ君!」

「僕だよ」


 彼の声が聞こえた。


「朝起きたら、バッファローになってたんだ。でもデートに遅れたらいけないと思って……」


 慌てて君に会いに来たんだよ。

 健治は鼻を鳴らしながら言った。


「よかったあ」


 便乗バッファローの群れに祝福されながら、私たちは初デートを満喫した。

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