CP、8 糸口はあるのか?
勝機を。
「神獣鏡之守り!」
壱与は咄嗟に鏡をかざして、光の壁をつくりだし、ヒューリーの大鎌の一撃を止める。
「小賢しいっ!」
ヒューリーは強引に鎌を一閃する。
途端に、光の壁は消し飛び、3人は吹き飛ぶ。
「きゃあっ!」
「くそっ!」
「ぐはっ!」
尊、壱与、黄河は壁に叩きつけられる。
「もう終わり?この世界の力は、私たちの前では無力」
ヒューリーは破顔する。
かろうじて尊は頭をもたげ上半身を起こす。
「おい、2人とも大丈夫か」
尊は話しかける。
「おう」と、黄河。
「なんとか」と、壱与。
「このままじゃ・・・打開策はあるか?」
「ぶちのめす」
黄河は即答した。
「却下」
尊は瞬時で拒否を返す。
「ちぇ」
口を尖らす黄河。
「お父さん、黄河、鏡に問うてみます。しばしだけ時間を稼いで」
壱与は鏡を胸に抱きしめた。
「わかった」
「おう」
2人は頷くと、立ち上がり、再びヒューリーと対峙する。
「ふふふ、何度やっても同じ」
ヒューリーは2人を見渡す。
「それは、どうかな」と、尊。
「もう、手加減は無しだぜ」と、黄河。
2人は愛剣を取り出した。
尊の天乃草薙の太刀、黄河は巨大な方天画戟を身構える。
「ふーん。無駄でもやるんだ」
「しゃらくさいっ!方天画戟!」
黄河は方天画戟で強烈な突きを入れる。
「無駄よ」
ヒューリーは軽々と大鎌で画戟の一撃を受け止める。
「しゃ!草薙の兜割っ!」
天井すれすれに飛びあがった尊は、使徒の頭上目掛けて、伝家の宝刀を突き立てた。
「くっ!」
ヒューリーは寸前、身をかわし反転、大鎌で2人に攻撃を加える。
「ぐ」
「ぬ」
ダメージの抜けきれない2人は膝まづく。
「やっぱり力の差は歴然のようね」
ヒューリーは確信した。
その時、
「見つけました!」
壱与は立ち上がり鏡を頭上にかざす。
「いでよ!異世界より導きし、魔導闘衣よ。我等に力を!」
見いだせ。