CP、5 尊先生の授業中に黄河居眠りをする
こらあ、黄河あ、なんばしょっとかあ~。
3限目は日本史の授業だ。
尊は黒板に重要事項を書くと、教科書を片手に説明する。
「西暦239年、邪馬台国の女王卑弥呼が魏の皇帝より金印を授かる。いいか、年号を覚えるには※デビュー二作目ひみこちゃんだぞ・・・って、そこっ!」
ノールックのノーモーションで尊は、チョークを放った。
教科書を立てかけて開くスタイルで、黄河は早弁をしている。
パシッ。
教科書に一投目があたると、二投目は山なりで黄河の頭頂部へあたる。
「・・・ひゃ(や)るな」
エビフライを口いっぱいに頬張り、黄河は言った。
「お前もたいした度胸だよ」
尊は呆れ顔で、隣の壱与はくすくすと笑っている。
・・・・・・。
・・・・・・。
「で、卑弥呼の死後、邪馬台国は大乱にみまわれる。そこで再び女王を擁立することになる。それが台与(壱与)で・・・って、黄河、寝るな!」
尊はチョークを放つ。
こつん・・・こつん・・・こつつつつつつ!
連弾が彼女に当たるも、ぐっすりおやすみタイム。
「壱与」
尊は娘に言う。
「はい」
壱与は黄河を見ながら返した。
「起こしてくれ」
こくりと頷くとゆさゆさと揺らす。
「むにゃむにゃ、もう、ポー玉(ポーク卵おにぎり)はいらねえって、姉ちゃん」
かなり大きな寝言が教室に響き、生徒たちは爆笑する。
「ん?」
目が覚めた黄河は思わず、よだれが口からでそうになり、慌ててすすった。
「おはよう、黄河」
「おはよう、先生」
2人のやりとりに、またどっと教室がわいた。
※学生時代の漫画で覚える歴史の年代暗記本に、こんな年号の覚え方書かれていました。
日本史の授業って、基本、先生が黒板に書いたのをノートにうつしていましたよね。
これって今もかな?