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CP、4 登校
登校。
山田尊は琉南高校に通う日本史の教師であり、2年A組の担任である。
今日も彼は教卓に立ち、朝のホームルームをはじめる。
「じゃ、点呼とるぞ~」
うちなータイムも過ぎるが、始業時間というのにまだ来ていない生徒もいる。
そんなのは日常茶飯事とばかりに、尊はかまわず生徒の名を呼んでいく。
「翁長結」
「はい」
「具志堅兼好」
「おっす」
・・・・・・。
・・・・・・。
点呼はしばらく続く。
「知念・・・知念黄河・・・・・・黄河は遅刻っ・・・」
「おまたせのーはいたーいだぜっ!・・・セーフっ!」
「じゃないっ!」
尊は黒板に振り返り、チョークを手に持つと、黄河目掛け投げつけた。
「教師生活20年っ!正確無比のチョーク弾」
「よっ」
尊会心のショットを黄河は、中指と人差し指で挟んだ。
「はいたーいっ!壱与」
隣席の壱与に黄河はウィンクをし、席へ座る。
「相変わらずだね」
と、笑顔の壱与に、
「へへへ」
と、鼻下を人差し指後でこする黄河だった。
「でも、先生・・・」
「ん?」
黄河が振り返ると、尊は軽くげんこつを入れた。
そして、投稿。