CP、3 姉妹ふたり
蕉蝉と黄河。
朝のドタバタ風景がここにもある。
ブレザーに身を包んだショートカット髪の野性味溢れる少女が黄河。
すらっとした身体に白のワンピース、髪はポニーテールのクールレディが、姉の蕉蝉である。
慌ただしい足音が、喫茶「うみんちゅ」に響き渡る。
「んじゃ、いってくるぜ!蕉蝉姉ちゃん」
黄河は、踵を踏みながら靴を履くと、今にも外へと飛びだそうとする。
「黄河、忘れ物ない?」
蕉蝉は慌てて妹の背中に声をかける。
「ん?」
ふと、彼女は立ち止まり、
「アタイは万全だ」
自信満々に言う。
「って、アンタ、カバンは?」
蕉蝉は呆れかえり、言葉を返す。
「カバンなんぞ無用の長物」
「なに言ってんのよ。学生でしょアンタ」
「アンタ~って、言い方」
「もういいから、遅刻するでしょ。早く行きなさい」
「へ~い」
「つったく・・・はあ」
蕉蝉は腰に両手を置くと、溜息をついた。
「りゃりゃりゃ」
朝の眩しい、てぃだかんかんの中、黄河は坂道を一気に駆け上がって行く。
その健康的な身体に、日焼けした顔、にじむ汗。
彼女は素早く手の甲で汗を拭うと、前を見て笑った。
妹を学校へ出した後、蕉蝉は仕事場(喫茶店)へ行き、開店準備をはじる。
ハート柄のエプロンを着て、ポニーテールの髪を結び直し、気合を入れる。
鏡を見て笑顔をつくる。
「よしっ!」
2人の1日がはじまる。
とりあえず、ここまでっ!
当方、夏休みに入ります。20日以降に再開予定です。
お尻に火をつけて楽しむぞ~(笑)。