CP、2 サーフショップは勇者の店
勇者、サーフショップはじめました。
サーフショップ勇者の店を営むのは、アルスとローラ夫妻だ。
アルスは異世界では勇者、ローラは一国のお姫様なのだが、こんなのはなんとなく頭の片隅に入れておけばいい。初見でも読めると一応、銘打っているのだから。
アルスは息子のマルスを抱きかかえ、欠伸をしながら階段をおりて食卓へやって来る。
テーブルには4人分の朝食。
「・・・・・・」
アルスはそれを一瞥すると、愛息をベビー椅子へと座らせる。
「おはよう」
彼は妻ローラに挨拶をする。
「アルス、マルス、おはよう」
ブロンド髪の美人妻が振り返り微笑みかける。
「今日で?」
彼の問いかけに、
「一年」
彼女は即座に答えた。
「そっか」
アルスは一言呟き、椅子に腰かける。
コポポポ~。
アルスのカップにコーヒーが注がれる。
湯気が漂い豊かな香りが鼻腔に入る。
「アリス、元気にしてるかな」
彼は熱々のホットサンドを頬張った。
「大丈夫」
ローラは確信めいた口調で言いきった。
「うん」
「わたしたちの子どもですもん」
彼女は愛息の食べ散らかしたテーブルを拭きつつ頷いた。
「うん」
彼もまた頷く。
朝食後。
青空を見て、勇者は大きく伸びをする。
「うーん!ささ、いっちょ、元気にやりますか!」
アルスはサーフショップ勇者の店の開店準備に取りかかる。
いらっしゃいまし~。