表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/61

序~動き出した物語~

 ようやくスピンオフ最終章はじめます。

 今回は、双子のメイド、メイヤとライヤそして勇者アリス・・・それから~前作の主人公ゆかいな仲間たちも登場して、わちゃわちゃと楽しみたいです。


 だいぶ前に書いたんですけど、筆が進まなくて・・・こうなったら投稿して尻を叩く~(笑)。

 


 異世界ウエスト・サン・ガイアに平和が訪れ、この世界を救った英雄コォジィと14人の嫁たちは、それぞれ新たな道を歩みはじめた。


 ジャパングに向かう巨大船に乗っているのは、メイヤ、ライヤそしてアリス。

 アリスは舳先の先端に立ち、大海の先の近づく故郷に思いを馳せる。

やや離れた後方の甲板上で潮風に吹かれる姉妹は、

「これでよかったのでしょうか」

 メイヤが姉に尋ねる。

「そうね・・・でも、お金を貯めていつか故郷に帰る・・・私たちの願いだったでしょう」

 ライヤは海を眺め、瞬きもせずに言った。

「でも・・・」

 メイヤには躊躇いがみえる。

「ちょうどいい時だったのよ」

 ライヤは戸惑いを見透かしたかのように、そして自分に言い聞かせるように言った。

「・・・・・・」

「それにアリスちゃんもいるでしょ。あの娘は16歳、保護者同伴いるでしょ」

「アリスさんなら心配ないと思いますけど・・・」

 適格なツッコミに、

「まあ、そうね、でも時が来たの。新しい未来がはじまる・・・はじめよう」

 ライヤは前を見据え喋った。

「ライヤさん、メイヤさん!」

 アリスが手を振る。

 2人は舳先へと向かう。

「ほらっ」

 少女の指さす先に、ジャパングの陸地が見えた。


 港に錨をおろし寄港する船、3人はジャパングの大地を踏みしめる。

「ここが・・・沖縄?」

 故郷の地に立ったはずのアリスが首を傾げる。

「どうしたの?」

 訝しがるライヤ。

「・・・・・・」

 不安気に少女を見るメイヤ。

「私の住んでいた場所じゃない」

 少女は呟いた。


「そんなことないんじゃない・・・ねぇ」

 と、ライヤはメイヤに同意を促す。

「・・・はい。ここはアリスさんが知らない場所かもしれないし、ちょっと歩いて探してみましょう」

 姉の言葉に妹は続いた。

「うん」

 アリスは小さく頷いた。



 照りつける眩しい太陽、青い空、美しい海。・・・確かにここは沖縄である。

 だけど、アリスは強烈な違和感を覚える。

 その表情は曇り、黙ったまま歩いている。

 メイヤはそっと彼女の左手を繋いだ。

「・・・なにか、おかしいの」

 ぽつりアリスは言った。

「はい」

 メイヤが頷く。

 サトウキビ畑の道をしばらく歩く、行き交う人は誰もいない。

 ふと、アリスは立ち止まった。

「ここに大きな道があって、学校があったの・・・」

「?」

 ライヤは言葉を失う。

「・・・・・・」

 メイヤは眉間に皴を寄せ表情を曇らせた。

「・・・ない・・・ここじゃない」

「アリスちゃん」

 思わず姉妹は言った。

「ここ沖縄だけど沖縄じゃない!」

 アリスの大きな声が、サトウキビ畑に吸い込まれた。



 よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ