3.変身!? その名はガーディアンクイーン!
作中のガーディアンナイトはこちら。
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僕は怪人から逃げていた。
この状況を打開するには……。
ダメだ。策がない。
「変身するんじゃ!」
頭に響く神様の声。
「変身?」
仮面ライダーになれとでも言うのか?
そんなの無理だって。著作権的に。
では、ウルトラマンか?
等身大相手にそりゃないでしょ。
そもそも何に変身すりゃいいんだ?
超サイヤ人か、それとも……。
変身について考えていると、僕の体は光に包まれ、竜をモチーフにした戦士、ガーディアンクイーンに姿を変える。
待て、ガーディアンクイーンってなんだ?
あ、あれか。ガーディアンナイトの女性版。
しかし、そんな世界が現実にあるとは。
僕はファンタジーな世界にツッコミを入れつつ、怪人と向き合う。
動きを止め、振り返った僕を見て戸惑う怪人。
僕は怪人の懐に突っ込み、腹部に拳をねじ込んだ。
怪人はくの字に折れ曲がりながら吹っ飛んでいき、塀を破壊して地面に転がる。
「うがああああ!」
怒り狂った怪人が僕めがけて突進してくる。
僕は攻撃をかわし、カウンターを浴びせた。
「ぐわ!」
怯む怪人。
僕は右足に全エネルギーを集中させ、怪人に回し蹴りを叩き込んだ。
怪人は爆発し、木っ端微塵と化す。
ガーディアンキックとでも呼ぶか。
戦闘が終了すると、僕は光に包まれ、ゆかりの姿になる。
時間が止まり、神様が現れる。
「初めてにしては上出来じゃな」
「あの怪人はなんです?」
「地球外からやってきた、邪悪なる生命体じゃ」
「宇宙人?」
「とも言うな。ともかく、お主を元の場所に戻すぞ」
神様の不思議な力で、僕は病室に戻された。
時間が動き出す。
「え?」
「どうしたの?」
「あ、いや」
その時、女性の悲鳴のあと、病院の外で爆発が起きた。
僕は窓の外を見る。
どうやらあの得体の知れない神様が時間ごと僕をこの病室に戻したらしい。
「何があったの?」
「さあ?」
僕は病室を出る。
「待って」
「え?」
振り返る僕。
「また来てくれるかな?」
「なんで?」
「君が来てくれれば、僕も頑張れる気がするんだ」
「別にいいけど。それじゃ」
僕は病院を出ると、孤児院へと向かう。
「ただいま戻りましたー」
早苗さんがやってくる。
「おかえりなさい。あら、ちょっと疲れてるんじゃない?」
「うん、すごくね」
僕は自室へ行き、ベッドに横になった。
あんなことが、またあるってことを考えると、気が気でなくなってくる。
僕は、神様の期待に答えられるであろうか。