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第0話

「あぁ、なんという力だ。素晴らしい!」


 別に特別な力が欲しかったわけじゃない。皆が当たり前に持っている力を持っていればそれでよかった。


「お前のその力があれば、わが悲願は成就される。」


 だっていうのに、なんで。


「フフフフフフ、待ちわびたぞ。」


 どうして、こんな力を持っているんだろう。

 

「さぁ、始めようか。王の帰還だ!」


 こんなことにしか私の意味がないのであれば死んだほうがマシかもしれない。


 それでも。


「あきらめてはいけない。ある少年が君の力になれるかもしれない。」


 あの人がそう言って私を逃がしてくれた。だから私はひたすらに探す。私の力になってくれるというその少年を。


 そしてついに出会うことができた。


「はじめまして。私の要石くん?」

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