04 おかしい
「…あれ? いま、何時なんだろう…」
目が覚めた琴音は、窓の外を見るが、辺りはまだ暗いためとりあえず寝坊はしていないことを確認する。
ゆっくりと身体を起こてスマホを手に取り、時間を確認する。
昨日の頭痛は嘘のように消えていた。
3時37分か…。変な時間に目が覚めちゃったな…。
昨日私、シャワーだけ浴びて寝たんだっけ、お腹す
いたなー。なんか食べるか。
冷蔵庫の中にあった焼きビーフンをチンしてもしゃもしゃと食べ出す。
焼きビーフンにはポン酢が1番である。
っあ、そういえば昨日のあの光って何やったんやろか。
食べながら昨日のことを思い出していた。
雷に打たれた…?でもそれなら今こうやって焼きビーフン食べれてるわけもないか…。
っあ、流誠のアルバム…。
昨日の雨で絶対端っこの方とかふにゃふにゃになっただろうな…。端っこだけならまだしも…。
ミサンガの方は濡れててもなんとかなるだろうけど。
アルバムのほうはやっぱ買い直し、かな。
ガクッと肩を落とすが、まだ写真を貼ったりする前でよかったとも思う。
お茶をぐっと一杯飲み干してから、部屋にほったらかしにしたままのリュックの中身を確認する。
「濡れてない!よかったー!」
思わずそう口にだしてしまうのも無理はなかった。
あんなに雨が降ってしまっていては、とにかくリュックの中身が最悪になってしまうのである。
しかし、数冊入れてある教科書も、アルバムもミサンガも、中にあるものは1つも濡れていなかった。
あんなに雨が降っていたのに。
逆になんで濡れていないか不思議に思ったほどだったが、とにかくよかったという気待ちが大きかった。
「あ、制服そのまんまな気が…」
喜ぶのもつかの間、琴音は脱衣所に向かった。
あれ?私の制服がない。おかしいな…。
寝室に戻り部屋を見渡すと、そこにはしっかりとハンガーに制服がかけられていた。
うわー、なんだ、私ってば優秀じゃん!
昨日ちゃんとかけてたんだ!いや、でもさすがに制服は濡れてるよな…。
あんなに雨降ったんだもん。
そう思い、制服の裾をつまんではみるが、制服は全く濡れていなかった。
どこを触っても濡れていなかった。
まるで、雨なんて降っていないのだと、制服が言っているようだった。