第1話 動き出す歯車
20XX年のある日、突如として太平洋に大きな島が出現した。様々な国が調査に向かった。しかし、帰ってきたものは不可思議な力を使うようになっていた。その人々を世の人は「能力者」と呼んだ。
そんなある時、帰ってきた一人の男が一つの国を破壊した、能力というのは生活のためになるものとばかり思っていた人々はなすすべなく殺された。そしてその男はこう言って去っていった。
「あの島には、この世界を手にすることのできる力がある。能力を有する者、否、コアに選べれし者はこの島に集結せよ。その力を賭けた闘争だ。」
笑いながら行った男の一言は全世界の人々に火をつけた。
これはある少年のこの島「ブラック・アイランド」での物語だ。
〜20XX年 4月9日〜
今日もまた世界を手に入れる能力を求めて戦闘が行われていた。
「おい! レオン!! このままじゃやられちまう!」
「俺が能力を使って裏をとるか……」
レオンと呼ばれた黒髪の男が能力を使おうとしたが、敵の基地が突如爆発し、敵兵が騒ぎ出した。
「ヒャッホー! これでも喰らっとけ‼︎」
男が敵をなぎ倒しながら基地から出てきた。
「あのバカ! 敵のヘイトを集めてどうする⁉︎」
「とりあえず敵の守備が甘くなった今がチャンスだ! 総員攻めろー!」
男が隙を作った際に攻め込んだおかげでレオンの軍は勝利した。
「お前はもうちょっと協調性ってやつをな……」
「ハイハイ わかってますって〜 全くキラー隊長は怖いなぁ怒ってると幸せが逃げますよ〜」
「なんだとー‼︎」
ビーストという赤髪の男は敵から武器とデータを回収しながらキラーという目に包帯を巻いた男と言い合いをしていた。
「それにしてもレオンさんはなんで生き残りの兵士を仲間に入れようとするのでしょうね?」
ビーストはキラーに質問した。
「知らんわ… そんなに気になるなら自分で聞け」
「まあ俺も元々敵だったわけですし、そんなこと聞くほどバカじゃねえっすよ」
その頃レオンは
「お前たち行く当てがないならうちにこないか? 俺たちも無益な戦闘は望んでない」
敵の一人が言った
「もしそんなことしたら俺たちが殺されちまう…」
「おいそれはお前らのバックに誰かいるってことか⁉︎」
「それは……」
「答えろ!」
レオンは怒った様子で聞いたが敵は口を割らなかった。そして、ビーストは改めて冷静になって質問を続けた。
「ならば質問を変えよう。 お前らのところにゼロという男がいかなかったか?」
「なぜその名を…⁉︎」
「その様子だと知ってるようだな」
レオンは急に黙って罰が悪そうな顔をしたが、またすぐに敵に同じ提案を持ちかけた。
「この軍はほとんどゼロに使われていたものの集まりだ。当てがないなら来い。お前らの家族も俺らの基地の共有スペースでかくまってやる」
「……わかった。そこまでいうならお願いする、俺たちいや俺たち家族をよろしく頼む」
レオンは笑顔になって言った
「これで俺たちは仲間じゃない、家族だ! よし、うちに帰るぞ‼︎」
「「「おー‼︎」」」
〜レオン軍の基地〜
「お父さんおかえり〜」
「おう、ただいま。いい子にしてたか? レイ」
レイと呼ばれたレオンに抱きついた銀髪の少女はレオンの娘だ。そして……
「あなたお帰りなさい。 兵士さんの治療は終わったわよ」
「あぁただいま。相変わらず仕事が早いな。サラ」
兵士の治療をしたと言った同じく銀髪の女性はレオンの奥さんであるサラだ
「サラ、キラーとビーストそれとドクもここまで頼む」
「わかったわ」
そう言ってサラは残りのメンバーを呼びに行った。
「ゼロはあの時にやったはずだ… まだ生きてるとなると最悪の事態も考えなければ……」
レオンは不安そうに顔をしかめた
「あなた連れてきたわよー」
「レオンさん話ってなんすか〜?」
「おい! ビーストもうちょっと緊張感ってやつをな」
「まあ、いいじゃないですか。楽しく会話した方がいい考えができるものですよ」
「ドクさんまで……」
楽しく会話していた3人だが、レオンの様子に気付き、真面目に話を聞き始めた。
「今から話すことは他言無用で頼む」
他の者たちに緊張感が走りながらレオンは続けた
「ゼロが生きてるかもしれない」
「……⁉︎ ちょっと待ってくれゼロは前にレオンさんがトドメを刺したんじゃ……」
ビーストたちはわけが訳がわからないないと言った感じだ。
「俺もわからない、そこであるものたちに会おうと思う。お前たちもついてきてくれ」
「あるもの……?」
「行ってみればわかる」
レオンはレイも連れてある場所に向かった
「グランいるか?」
レオンが呼びかけると大男が出てきた
「おーレオンじゃないか、久しぶりだな。レイもでかくなってー、なんだ訓練に来たのか?悪いが今ミラはいないぞ」
「いや今日は訓練じゃないんだが、お前に聞きたいことがあってきた」
「その様子だとあんまいろんな人を巻き込みたくないみたいだな」
そしてグランは人払いをして迎えあうように座った
「話をする前にレオン、俺はその後ろのやつを知らない、信頼に足る仲間なんだよな?」
「あぁ紹介が遅れたな、左からビースト、キラー、ドクだ」
「「「よろしく」」」
「あぁグランだよろしく」
ビーストたちが自己紹介した後にグランに質問した
「レオンさんとあんたはどういう関係なんだ、それとあんたは人間か?俺には人間には思えない」
ビースト含む3人はグランをまだ信用してなかった
「俺は…いや、俺たちは敵の攻撃を受けてるところをレオンに助けてもらったんだ。それからはサラやレオン、レイも含めて俺たち仲間とたまに訓練してたんだ。そして、最後の質問だが……」
「それについては俺が話そう」
レオンがグランの言葉を遮り、説明をした
「この基地にいるものはこの島ができた時から住んでた、いわば先住民というものだ。お前らの考察通り人間ではないが、コアを持たずにコアに選ばれしものたちと対等に戦える。おそらく能力を使わない俺と同レベの強さだ」
レオンの言葉に3人は衝撃を受けた、レオンはそのまま話を続けた
「ちなみにグランはタイタンだ、今はこの姿だが、本来は俺らの何十倍も大きい」
「そうだったのか疑って申し訳ない、ここは責任を持って切腹を……」
ドクが短刀を取り出したが他のものが慌てて止めた、呆れたようにレオンが続けた
「それでグラン、ゼロについてなにかしらないか?」
「おい、レオン確かに俺らはゼロに復讐はしたいがいちいちゼロについて知ってるわけないだろ!」
「そうか……」
「まあゼロだけに情報がゼロとは言ってない」
「あるんかい……」
ビーストがあきれたように言ったが、グランは続けた
「仲間のエルフの情報だ、あてになると思う。なんでも、ゼロの部下らしきものが主催のオークションがあるらしいそこを叩けば何かわかるかもしれない」
「本当か⁉︎ 早速行ってみよう」
「場所はここから北に10キロほど行ったとこの館だ、情報提供者として俺も行こう」
「サラとドクはレイと残ってくれ。後ミラが帰ってきたら訓練してもらえ」
「「わかった」」
レオン一行は北の館に向かうため準備を始めた
〜北の館〜
「もういや、痛いの嫌だよ、誰か助け……」
「次の薬を打ち込め」
「いやーーー」
少年は一人の男に次々に薬を打ち込まれ悲鳴を上げ続けていた。少年と謎の男の正体とは……
次回に続く