★chapter42 「貯蔵品」って何!?
ある日の私の部屋にて…
”コンコンコン…”
「どうぞ~ドアは開いているから~今、手が離せないの!!」
”バタン”
「美琴、入るわよ…って、どうしたの?そんな真剣な顔して…」
「ああ、お姉か…今、使用済と使用前の切手の選別を行っているの!」
「切手の選別って…あぁ、美琴は使用済の切手を枠に沿って切り離してコレクションしているんだったわね!」
「そうなんだ。綺麗に切るところまでは毎回やるんだけど、コレクションブックに収納しないで、空き缶の中に入れていたら、未使用の切手と混ざっちゃって…」
「それ、いつかやるんじゃないかって思っていたのよね…」
「思っていたなら、そうなる前に注意してよ!!」
「…次はそうするわ」
「もう!!」
”サッサッサッ…”
「1、2、3、4………未使用の切手は15枚、¥1,000分かぁ。案外使っていたんだなぁ」
「美琴は、今時珍しくはがきや封書での懸賞によく応募しているからねぇ」
「確か、1年前位に¥10,000分買って、残りが¥1,000だから、¥9,000分使ったってことだよねぇ」
「今の話、何だか簿記の決算処理の話みたいだわね」
「あぁ、通信費で処理していた切手を、貯蔵品として処理して、使った分だけが費用として残るようにするって、あれだね」
「そうそう。今の美琴の例だと、買った時に
(借方(左側))通信費 10,000
/
(貸方(右側))現金 10,000
って仕訳をしておいて、決算の時に
(借方(左側))貯蔵品 1,000
/
(貸方(右側))通信費 1,000
って仕訳になるわね」
「買った時に通信費¥10,000を計上して、決算で残っていた分を貯蔵品に振り替えて、¥1,000マイナスしているから、結果的に通信費に残るのは¥9,000ってことになるんだよねぇ」
「そうそう。ちなみに、切手やはがき以外にも、貯蔵品にする未使用のものがあるって、覚えてる?」
「『収入印紙』でしょ!!」
「正解!もし美琴が買っていたのが切手じゃなく、収入印紙だったとすると、買った時には
(借方(左側))租税公課 10,000
/
(貸方(右側))現金 10,000
って仕訳をしておいて、決算では
(借方(左側))貯蔵品 1,000
/
(貸方(右側))租税公課 1,000
って仕訳をするってことね!」
「ねぇお姉。切手と収入印紙が同時に決算で残っていたって問題もなかったっけ?」
「あるわよ。例えば、決算で未使用の切手が¥2,000、収入印紙が¥3,000あったとすると…
(借方(左側))貯蔵品 5,000
/
(貸方(右側))通信費 2,000
租税公課 3,000
って仕訳をすることになるわ」
「切手も収入印紙も、どちらも『貯蔵品』として合算して処理しておくっていうのがミソだよねぇ~」
「そうね。まぁ、日商簿記3級では、貯蔵品の処理って決算のこの部分でしか出題されないから、切手と収入印紙の未使用分は『貯蔵品』に振り替えるって覚えておくだけで良いんだけどね!」
「えっ!それじゃ、日商簿記2級からは、違う使い方がされるってこと!?」
「そういうことよ。減価償却が終わった固定資産を帳簿上から除却した時に、それでも資産価値が残されている場合に、固定資産の勘定科目から『貯蔵品』に振り替えることがあるわね」
「そうなんだ!まぁ、その辺りの話は、2級の受験をする時に、また煉先輩から聞くことにしよっと!」
chapter43 に続く




