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美琴 Accounting!! 簿記の基礎知識講座  作者: 剣世炸
3級商業簿記編
30/74

breaktime5 諺から見る簿記②

「どうも~剣世炸です~♪」

「きゃっ!猫が美術室に…ていうか、猫がしゃべった!!」

「郷中先生!この猫は剣世先生ですよ!」

「どうしました~郷中先生!なんか悲鳴が聞こえたような…」

「って、何で美術室に猫が…」

「それより藍堀先生!この猫さん、しゃべるんです…」

「どうも~こんにちは♪」

「本当だ!この猫さん、しゃべるんですね♪」

「って、何でこの猫さん、人間の言葉しゃべるんです!?」

「藍堀先生!この猫は剣世先生です!!」

「剣世先生?」

「私たちの生みの親ですよ♪」

「…という訳で、早速「簿記」にまつわる諺を、今日も紹介して行きたいと思いま~す♪」


その④「商人の空値」


「ショウニンノソラネ?昔は、お空も売買されていたんですか!?」

「嶋尻さん!それは「あきんどのそらね」と読むのよ」

「「商人が駆け引きしてつける値段は信用しがたい」ということね」

「確かに、簿記の問題でも「原価30万円の商品を50万円で売却し…」なんて問題が出ますよね…」

「仕訳的には、三分法で処理するから…


(借方(左側))売掛金50万



(貸方(右側))売上50万


って仕訳になりますけど、よくよく考えれば30万円のものを50万円で売っている訳ですから、利益は20万円も出ている訳で…」

「売上50万のうちの利益の率は40%もあることになるわね!」

「実際、この利益から販売員の給料や水道光熱費など「仕入」以外にかかった費用を引いていきますから、当期純利益に到達するころには、もっと利益は少なくなってますけどね」

「私たち美術部が使っている画材とかも、単純な「商品の元値」だけで考えると、きっと半額程度なんでしょうね…」

「まぁ、そういうことだから、家電量販店とかだと「値引交渉」次第で販売価格よりも安く買うことができる、という訳ね」

「郷中先生、値引交渉おやりになるんですね…」

「いやいや!私はやりませんよ!私は!!」

「…さて、次に行ってみましょう!」


その⑤「一文惜しみの百知らず」


「「一文」って、江戸時代の日本の通貨ですよね!」

「江戸時代の最小通貨単位ね。現代で言えば「一円玉」のことになるかしら」

「「1円をバカにする者は1円に泣く」という諺は有名ですよね。「少ないお金でも、コツコツ貯めれば大きな金額になる」とか「どんなに少ないお金でも、稼ぐのは大変なことだからバカにしちゃいけない」といった意味で使われていますけど…」

「この諺の意味は「一文」という小さなお金を出し惜しんだことで、後々大きな損失が出る、といった意味で使われます。」

「企業が新商品を出した時には、何億円もの「広告宣伝費」を費やして新商品をPRしているように、ある程度の「先行投資」がなければ、大きな利益は生まれない、という意味ね」

「なるほど!つまり、私が高い検定料を支払って数多くの資格検定試験を受検するのは、私自身の将来に対する「先行投資」でもある訳ですね!!」

「その通り!!検定に合格すれば、履歴書に半永久的に記載できる「武器」を手にすることができる。不合格だったとしても、その「理由」をしっかりと把握し、自分の弱点を見つけ克服することができる。検定に限らず、失敗を恐れず先行投資を怠らないことが重要です!」

「(…さすが「新入生代表の言葉」を、紙を見ずに読み上げただけはあるわね!これからが楽しみだわ!)」


その⑥「商い上手の仕入下手」


「はいは~い!!聞いたことはありませんが、意味は分かりそうで~す!」

「はいっ!それじゃ嶋尻さん、解答をどうぞ!」

「「商い上手」だから、「売上」はたくさん計上されているけど、「仕入が下手」だから「仕入」勘定の金額も多いので利益が上がっていない、といった意味だと思いま~す♪」

「はいっ!良くできました!!」

「「原価30万円の商品を31万円で売却し…」こんな仕訳ばかりする企業は、まさに「商い上手の仕入下手」と言われてしまいそうですね」

「この諺は「人には得手不得手がある」といった意味でも使われますね」

「「適材適所」と同じような意味としても使われるということね!」

「売るのがうまい人には「販売員」を、買うのがうまい人には「バイヤー」を任せなさい!ということですね!」

「嶋尻さん!よく「バイヤー」なんて言葉、知ってるわね!」

「昨日、煉先輩と話していて、たまたま先輩が話題にあげただけなんですけどね♪」

「にゃ~お(ちなみに「バイヤー」とは、商品の仕入担当者のことで、良く売れそうないい商品を見つける行動力・センス、値段や納入量などを交渉する力などが求められる仕事ですにゃ)」

「それにしても、今日見てみた3つの諺だけでも、随分と簿記と密接に関わっているわね」

「簿記は「文豪ゲーテ」が活躍した18世紀には確立していた学問ですから、私たちの生活に本来は密接に関わっていて当たり前なのですよ。ゲーテさんが大臣を務めた国で簿記が義務教育化されたのも頷けます」

「簿記を勉強することで、世の中の仕組みが理解できるようになる、というのは間違いないんですね♪」

「その通りです。さて、3級編も残り僅かです。嶋尻さん!しっかり煉君に教わって、日商簿記3級合格を目指して下さいね!」

「それでは、またお会いできるのを楽しみに♪」

「にゃ~お♪」

「あっ!剣世先生が窓から外に!!」

「待って下さ~い!先生!!」


See you next breaktime!!

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