breaktime4 諺から見る簿記①
「むかしむかし、あるところにって…あれっ!?このコーナーって「勘定科目今昔物語」じゃなかったっけ!?」
「そうしたいところは山々なのですが、次に紹介したい勘定科目が2級の範囲のものだったので、急遽簿記にまつわる「ことわざ」を紹介することになりました♪」
「わっ、猫がしゃべった!!」
「お姉!この猫は「剣世先生」だよ!」
「俺たちの「生みの親」って訳だな!」
「???」
「まぁ、それはいいとして。早速、簿記にまつわる「ことわざ」を紹介しましょう!」
その①「逢あえば五厘ごりんの損そんがいく」
「五輪?確かに2020年開催のオリンピックでいろいろ世間が騒いではいるみたいですけど…」
「五輪じゃなく「五厘」よ「五厘」!!」
「五厘は、確か一銭の半分でしたよね」
「その通り。「人と交際すると時間を取られたり、必ず何等かの出費があって損をする。故に、できるだけ余計な付き合いは避けて、出費を少なくするよう心掛ける事が賢明である」という意味で使われることわざです」
「もし先輩と付き合えることになったら、私も出費が増えるのかな…」
「ん!?美琴、何か言ったか!?」
「いっ、いえ。何でもありませんです…」
「…ただ、このことわざには続きがあって「義理人情を欠いてまで出費を防ぐのは行き過ぎだろう」とも言われているのです」
「「交際費」が増えすぎて「当期純利益」を圧迫するようなことはあってはなりませんが、だからと言って何でもかんでも「交際費」を減らせば良いというものでもない、ということでしょうかね」
その②「金が金を儲ける」
「お金がお金を生んでいく、といったような意味でしょうか?」
「そうですね。「資本が利益を稼いだり、元金が利子を生んだり、金が金を生んで次第にふえて行くこと」を指しています」
「でも、これって「簿記」の仕組みが分かっていないと成立しないことわざとも言えますよね!?」
「その通り。簿記をやっていると、売上を得るためにどの程度の原価がかかったのか?これを「売上原価」と呼んでいますけど、この売上原価をどうやって算定するのかを学習することになります」
「お金にお金を生ませるためには「売上原価」を把握した上で、商品の「売価」を決める必要があると言えます。そうしないと、会社は「損」を出し続けてしまうからです」
「簿記は、会社の資本をどのように増やしていくのかを知るための学問でもある、という訳ですね」
「なるほど!「恋愛」にも簿記みたいな計算式とかがあったらいいのにって、私は思います!」
「そう言えば、私が学生時代に入っていたサークルで「恋愛会計学」っていうのが流行ってましたっけ…」
「剣世先生!?」
「いえ、何でもありませんよ!さて、今回最後のことわざはこれです♪」
その③「勘定合って銭足らず」
「はいは~い!これは、決算の時に出てくる「現金過不足」って奴じゃないですか?」
「そうですね。「帳簿上では収支の計算が合って儲かっているはずなのに、手元の現金を数えてみると足りないことから、理論と実際とはなかなか一致しないということ」という意味で使われます」
「普段から現金をちゃんと数えていれば、そんなことは起こらないんじゃないか?って俺は思うんですけど、簿記の問題みたいに、勘定科目的には合っているのに現金の残高は違うなんてこと、起こり得るんですか?」
「私が学生時代、あるコンビニでアルバイトをしていたのですが、そのコンビニでは深夜のシフトに入った人が、コンピュータ上の現金残高と実際にレジに入っている現金残高の確認を行うことになっていたんです」
「その店で、私は数十回深夜バイトに入りましたが、コンピュータ上の記録と実際の現金残高が一致したのは数える程でした。なぜなら、会計をしている時に、はずみで床で落ちてしまったお金を「後で拾おう」と思ってそのままにしている店員が、その店では多かったからです」
「会社でも、例えば床に店の現金が落ちて拾おうとした瞬間に電話が鳴ったり、上司に呼ばれて指示を受け、その現金のことが頭から抜け出てしまうようなことは、よくある事なんです。だから、現金の実際有高と帳簿残高の差異を発生させたくなければ、現金を扱っているときには「余計なことを考えない」のが一番ですね」
「でも「社長」とか偉い人に呼ばれて「現金を扱っているから無視」という訳にもいかなさそうですよね…」
「その時は「現金を今扱っているから、少し待って下さい」的なことを言って、少し待ってもらうとかした方がいいんだろうな」
「そうですね。それが賢明でしょう!さて、3級のchapterはまだ終わりそうもありませんので、次回のbreaktimeも「諺から見る簿記」でお送りする予定です」
「また、剣世先生がお出ましになられるんですよね!?」
「それは分かりませんが…それでは、またお会いできるのを楽しみに♪」
「にゃ~お♪」
「あぁ、剣世先生が軒先から外へ…待って下さ~い、先生!!」
See you next breaktime!!