表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美琴 Accounting!! 簿記の基礎知識講座  作者: 剣世炸
3級商業簿記編
10/74

chapter08 「商品」として取り扱うもの

「あ~やっとテスト終わった~~」

「美琴ちゃん、お疲れさま~」

 1学期の中間テストが終わり、私と紗代は廊下で話をしていた。

「それにしても、戸山先生も意地悪だよね~「商品を仕入れて、代金は月末に支払うことにした」なんてさ~」

「美琴ちゃん。それ、ちゃんと仕訳できた?」

「商品を売ったり買ったりした時の「後で払います」「後で受け取ります」は、「掛」と同じ取引になるから…


(借方(左側))仕入



(貸方(右側))買掛金


でしょ?」


「はい!正解!!」

「でもさ、あれはどうなんだろう?「不動産業を営む当店は販売用の土地を購入し、代金は月末に支払うことにした…」」

「今年の1年生の簿記は、最初から随分と飛ばしているみたいだな…さすが、けやき商で「簿記を合格させる腕で右に出るものは居ない」と言われた戸山先生だ…」

「あっ!先輩!!」

「部長さん!こんにちは!!」

「煉先輩!「飛ばしてる」って、どういうことですか?」

「俺が今の美琴位の時期に、そんな難しい仕訳の問題は勉強していなかった、ってことさ」

「そうなんですか?」

「ああ。ちなみに、さっき美琴が言っていた仕訳の答えはどうなる?」

「商品以外のものを購入した時の月末払いは「未払金」、月末受け取りは「未収金」を使って処理するから


(借方(左側))土地



(貸方(右側))未払金


なんじゃないんですか?」


「確かに、土地を営業用の店舗を建てるために購入したんなら、そういう仕訳になるよな…でも、当店は何業を営んでいるって言ってた?」

「「不動産業を営んでいる」ってテストには書いてありましたし、「販売用の土地」とも書いてありました…ってことは、当店にとって、土地は「商品」!?」

「ご名答!!」

「そんなぁ…てことは、あの問題の答えは


(借方(左側))仕入



(貸方(右側))買掛金


ってことですか?」


「そういうことだな。簿記の仕訳の問題で注意しなきゃいけないのは、問題文の中にワンサカあるってことさ」

「問題文に「○○業を営む」なんて書いてあったら、特に注意を払う必要があるってことですね…」

「煉先輩。戸山先生のテストの問題以外に、注意しておいた方が良い業種とかってありますか?」

「そうだな…「不動産業を営んでいる商店の土地や建物の売買」以外には…


・家電販売業を営んでいる商店のパソコンの売買

・家具販売業を営んでいる商店の机や椅子の売買

・携帯電話販売業を営んでいる商店のタブレット端末の売買

・車両販売業を営んでいる商店の車両やトラックの売買


といったところかな…」

「何業を営んでいるにしても「販売用の○○」と書いてあったら、ほとんどの場合は「商品」のことだから、通常は備品として処理する「パソコン・机・椅子・タブレット端末」や、車両運搬具として処理する「乗用車・トラック」は、「販売用」と前置きがあったら「商品」として認識する必要があるだろうな」

「テストで減点されることは確定しちゃいましたけど、ここで間違えていたお陰で、来月の検定では絶対に間違えない自信がつきました!」

「美琴は来月簿記検定を受検するんだったな!」

「はいっ!紗代も一緒に受検するんですよ!」

「2人で合格できるよう、部活の合間に勉強するつもりです♪」

「そうか!分からないことがあれば、いつでも聞いてくれよ!」

「はいっ!煉先輩、頼りにしてます!!」

「おう!任せなさい!!」

 この一ヵ月後に行われた簿記検定の仕訳問題で、「○○業を営む当店は…」という問題が出題され、美琴と紗代はこの問題に引っ掛かることなく、見事合格を果たすことができたのでした。

 「土地」「車両」「机・椅子・パソコン(備品)」と書かれていても、その前に「販売用」とか「○○業を営む~」なんて記載があったら、皆さんも十分にご注意下さいませ…


chapter 9 に続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ