異世界メシはやはり美味しい。
宿の部屋に着いて少し一息。
フェルセを見てみると椅子にすわり落ち着いていないような。
一段落したからか何故か部屋の中は沈黙…。
落ち着いているとお腹が空いてきた。
こっちに来て色々あったがまだ4時間ぐらいしか経ってないけどお昼時なのか良い匂いがしてきた。
「この後どうする?」
フェルセに聞いてみると、ちょっとソワソワしている?
ギルドにも行ってみたいけど良い匂いがするとお腹減るんだよな。これ絶対に肉系のうまいやつみたいな匂いだ。
「フェルセ!!」少し大きく声を出してしまい
フェルセちょっとビクッとした。
「なっなんですか?」
「わかるだろ…」
「わかるだろって言われてもー。わからないですよ。」
確かにわかないよね。
「ご飯食べにいくぞ。」
フェルセが、嬉しい満面の笑みで頷く。
お腹減ってたんだね。
これが初の戦闘じゃなく初の異世界メシになるのだ。
ロビーに行くと、食欲をそそる匂いが近づいてきて胃が締め付けられる。
「冥王さま、あちらにレストランがあります。」
ロビーの隣にレストラン、良い匂いがするわけだ。
レストランに入るとウェイターに空いている席へ案内させる。
「今日のおすすめはボアの肉を使ったシチューです。」
おすすめと言ってもそれしかないらしい。
つまみなら野菜とか頼む人がいるのでおすすめって言っているのだろう。
「フェルセもシチューでいい?」
頷くと「2つお願い。」
「かしこまりました。」と礼をしてさるウェイター。
フェルセが空腹を我慢して声を出してムダなエネルギーを使わないようにしている。冥界でも見かけた事があるからわかる。
「食べたらギルドに行くか?」
頷くフェルセ。
少し経って
「おまたせしました。」
シチューが、到着しフェルセが一目散に食べる。
それだけ空腹だったのか…
再びウェイターが、同じように来てパンを置いていった。
異世界モノだと保存用か庶民用に大体硬くてそれなりの黒パンが多かったがこの世界は、いたって普通の白い方の表面が薄茶で焦げ目ついているパンだ。
シチューも濃厚で肉も美味しい。
「肉ってボアと言ってたけど、ボアってどんな生き物だ?」
「ふぃのしぃーしぃーべぇす。」
目を見開き美味しく食べてる。
「猪です。」
口の中が、無くなってさっきの発言が無かったかのように言い直してきた。
猪肉って初めて食べる。硬いイメージがあるけど柔らかんだなぁ
とにかく美味しい。
堪能して食べた。
「冥王さま、この後ギルドに行くって言ってましたけどステータスとか大丈夫ですか?」
「え?どういうこと?大丈夫と言われてもわからない。」
「私、確認しても良いですか?」
確認って…と思ってたら
フェルセの前に白い半透明の薄い板が出てきた。
異世界モノによくあるステータスなど見る画面かな。
「私、この世界の鑑定スキルもっているので見れるんですよ。」
「俺もあるか?」
「残念ですが、冥王さまは、何にもスキルもってないですよ。どノーマルですね。」
どノーマルって…
フェルセが小声で話してきた。
「冥王さま、ステータスって変更できます?」
ステータス変更というか、ステータス画面出し方すら知らないんだよなぁ
「それどうだすんだ?」
「私は、鑑定スキルあるからですが、一般人は…どノーマルな冥王さまでは、ステータス画面だせないですね。」
マジか!
「出すとしたら、ギルドに登録してギルドにステータス確認の魔法を付与してもらうか、ギルドカードで確認するかしか無いんですよ。」
「………」
まぁ神力を使えば変更可能かな。
「変更ってどこか悪いとこあるのか?」
「全般に高いので20%ほど下げて下さい。」
少量の神力を使って変更をこころみる。
「おぉ!!さがりましまね。」
やってみるものだ…
下げるのってなんだか。
「ギルドに登録してない状態から強いと今後面倒事になるんですよ。」
「それは、勘弁だな。」
「冥王さま、これでギルドに行きましょう。」
席を立ちレストランを後にして冒険者ギルドにむかった。
読んで頂いてありがとうございます。
次回は、ギルドに向かうのですが
初めての街を探索です。