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冥王さま異世界に憧れる。  作者: なまけものなのな
始まりの街編
3/173

憧れからの旅行開始

2019-2-02改編しました。

「アハ、ハハハハハ…… はっ はぁー」


 もうこれは笑うしかないよ。しかもルルノレも一枚噛んでたという事がわかり、俺は腑に落ちない気持ちになり頭を掻き乱したら、フェルセが妙な口調で俺の横で無表情に言う。


「めいおうさまが、こんらんした」

「ピッ」

「めいおうさまが、こわれた」


 フェルセの口調は、八ビットゲームのメッセージ風になっている。

 ここで色々言っても、既に時遅いし。不平不満を言っても何も変わらない。ここは諦めるしか無いのかと、開き直ってたら。フェルセはボソボソっと何か変な含みがありそうな事を呟く。


「冥王さまは、今の姿が1番なんですよ」


 更に追い討ちをかけるように


「冥王さまは、黒髪で童顔だし、体型もほかの神とは違って華奢なのと、肌がすべすべしてそうで胸毛とか無さそうで……。 そこが良いんですよ」

 

 俺のコンプレックスを良いと言ってくれる者がいる事に普通なら嬉しい筈なのだが、そこは何故かフェルセに言われると少しだけ難色を示しながらフェルセに伝える。


「それさぁ。 俺が悩んでたところ全部なんだなんだよな。 だから今回異世界に来て擬体(アバター)を使って気分一新にやっていこうと思ったんだぞ」

「冥王さま? そうですけど、ラノベだと、そういう感じの主人公って言うのが多いと思いません? だから、もしこれがラノベなら冥王さまの容姿ってうってつけじゃ無いですか?」


 俺の読んでいた物は俺に酷似した主人公なんてそんなに居なかったぞ。フェルセも色々考えて異世界転移物に憧れた俺に、沿ってくれてるのかなと、そう判断している。


「――――というか擬体(アバター)はどうなった? 擬体(アバター)対応の転送ポットに入ったのに、何故この格好のままなのだ?」

「そりゃぁ、この世界行きの転送ポットに冥王さまが、入っただけで、擬体設定なんてされてないですよってルルノレが、言ってました」

「俺は、確かにルルノレが、プログラム変えたって言ってたぞ」

「私、分からないですよ。冥王さまの勘違いじゃないですかぁ」

 

 フェルセが、すっとぼけるかのように唇を尖らせている。こうなっては何言っても変わらないし、戻るのも面倒になる。折角の休みだし、異世界気分になれるのだ、戻ったらルルノレに説教しようと決めておいた。。


 目の前にいるフェルセを見てふと思い、

 

「何ですか? あっ、ついに冥王さま。 私の魅力に気付いちゃいました? 気づくの遅すぎですよ」

「まじか! 遅かったかぁー。 なーんて、そんな事絶対に無いぞ…… 今気づいたが、フェルセは擬体(アバター)にしなかったんだ?」

 

 少しショックを受けているような体勢になっているフェルセだが、直ぐ体を起こし堂々と偉そうな態度に早変わりする。

 

「まぁ、いいですわ。 冥王さま異世界探検は、これからですからね。正直、神力さえ抑えていれば擬体(アバター)なんて不要ですよ」

 

 フェルセも豊穣を司る女神なのだ。だから神力を使う事ができる。などと思っていたら、俺は、かなり昔だが、フェルセと出会った時の事を思い出してしまった。

 俺は、思い出したくも無かったが、フェルセと出会ったのは、そう……。

 フェルセが、水仙を摘もうとして手を伸ばしたら着ているスカートの裾を自ら踏んで転びそうな所を俺が、助けただけなのに、何故か色々尾鰭がついて略奪したとか広まって色々と、面倒ごとに巻き込まれた事を思い出してた。

 そのフェルセは、息を溜めに溜めた所で俺に指差して

 

「――――冥王さま、私は女神なんですよ。見た目も存在感も何も気にしてないのですから擬体(アバター)は不要です。 今も昔も何も変わらない美少女の女神なのです。 分かりました? 私は、絶世の美少女なんですよ。 そんな私に擬体(アバター)なんて、そんなの不要なんです」


 フェルセは、何も気取らずに当たり前の素振りで美少女って自分から言ってきた。俺は、その二度も繰り返して『()』を強めにアクセントつけながら話してくるフェルセに、少し曳き気味になっていたが、最後は絶世ってつけてきた。

 『絶世』だよあり得ないと思っていたが、ここでツッコミ入れると、これもまた色々と問題が起きそうなので、この話題はそのまま気にせずに流すことにした。


「でも、なんで絶世の美女じゃなくて絶世の美少女なのか知りたく無いですか?」

「いや、やめとく。 どうせしょうも無い事だろ? どこかに向かわないとな」

 フェルセはニヤッとした顔で俺を見てきてるが、そんな俺は、全くもって聞きたくない。 敢えて聞きたいと言えば[絶世]のフレーズを使った事かな、日常的に使わないと思うのだが。


「私の『絶世の美少女』の件は、また後ほど教えてあげますよ。 でもね冥王さま、こんなだだっ広い草原に立っていても、すっごくムダなので、早く街に行きましょう」


「そうだな。 どっちに街があるんだ?」

「えっ?」

 フェルセは、不可解な事を言ってますよ的な目で辺り一面を見渡している俺を見る。


「も、もしかしてですけど? 冥王さまは、この世界の地理とか常識など確認してきました?」


「常識は、大体目を通してきたけど、どの世界でも冥界でも同じような物だが、地理も一通り確認したぞ」

「本当ですか? ルルノレが『冥王さまってあの世界行くの浮かれすぎてて、私の話ほとんど聞いてないんです』とか言ってましたよ」


 この異世界行く計画の為にルルノレと色々相談してたんだが、『近くの街で……』と言ってた気がするが、その話をした日から結構日数が経っているので忘れている。

 それを見越されているかのようにフェルセは鼻笛を吹き俺に言ってくる。

 

「冥王さま、私このフェルセが、いるのでもう安心ですよ。 街に行きましょう」

 フェルセは、そのまま歩き出し俺は、余儀無く付き添い後を追う。

 この世界の地理を詳しいフェルセと共に異世界の旅に出発するので一言言っておく

 

「フェルセ」

「何ですか、冥王さま?」

「これからパートナーとしてよろしくな」

「なっ、なに言ってるんで…… 当たり前ですよ。 既に神界では私たち……」


 神界では? 

 風の音で声がかき消されよく聞き取れなかったが、フェルセの妙な発言と端切れの悪い回答あったようだ。

 でも、そんな事を気にせずに、俺の心の奥底から感謝の意を込めていた。


『フェルセ頼むぞ、異世界案内』


 俺の前にいるフェルセから変な笑い声をあげているが、すべて無視をしてフェルセの後を着いて人の街へ歩き出した。

読んで頂いてありがとうございます。

とうとう、やっと?移動開始しました。


何か変なところありましたら教えてください。

宜しくお願いします。

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