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異世界転生編 Ⅰ
・・・・・・愛が欲しい。
静寂が永遠と続くかと思っていた場所に光が射してきた。
遂に閉ざされたチャンネルが開き、この世に生を受ける。しかし不安で心は埋め尽くされて喜びの感情が湧かない。
時間は有限。どんどん光が強くなる。
「あんたはどっちがいい?きれいさっぱり記憶を消去して新しい世界で自由に生きるのと、前世の苦痛に満ちた人生の記憶を所持して新しい世界で生きることを選ぶのか」
頭に響く女声。それは死ぬ間際に聞こえたものと同じ。
「答えは決まっている」
誰もいない空間で俺は不敵な笑みを溢す。
先程の不安に満ち満ちた気持ちが少し晴れた気がする。今ほど短時間で心情の変化があったのは初めて。
・・・・・・前世では怠惰な毎日を送るのが当たり前。
見方を変えれば実はラッキーなことにあの忌々しい両親から解放されるのだ。
だから切り替えることにした。
「・・やれるものならやってみろー。自慢じゃないが俺はちょっとやそっとでは笑わないぞー」
そうして光は静寂の世界を包み込んで音有る世界を開かせた。