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異世界に召喚されたら職業がストレンジャー(異邦”神”)だった件  作者: ぽて
第二部ダイジェスト

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第二部(仮)総帥と邪神のあんやく

ひさびさにネタが浮かんだので投下!

龍司とリトの会話文です。

「そういえばリュージ、知っているかい?」

「何をだよ」

「実はうちの結社には自称ライバルを名乗る組織があるんだ」

「……そうとうな暇人だな、そいつら」

「はっはっは。相変わらず辛口だねぇ」

「で、なんでその話を俺に振ったわけ? できれば関わり合いになりたくねーんだけど?」

「その組織の名前がね、『悪の秘密結社・世界は我々のもの』と言うんだけど──」

「いやだからなんで何事もなかったかのように話を続けるんだおまえは!」

「まあまあ、落ち着いてくれたまえ。君とも無関係じゃあないんだ」

「俺の知人に秘密結社所属の人間なんざいねぇよ!!」

「えっ?(私は?)」

「……お前のとこはもう秘密でもなんでもねーだろ……」

「いやいやいや秘密結社だよ!! ではなくて!」

「やけに必死だな。で、なんかあるのか?」

「君は狙われているんだ!」

「お前のとこの組織に? なんか勝手にメンバーに数えられてる気はするが」

「違うよ! 件の悪の秘密結社にだ!!」

「──なんでやねん!?」

「先の騒動で使われた魔導兵器は覚えているかい?」

「あー。スパロボもどきと、ビーム撃ってきたとか言うデッサン人形な……」

「指揮官機と魔導人形!」

「あーはいはい。指揮官機とまどーにんぎょう」

「……アレの動力源が異世界からやってきた邪神だと広まってしまってね」

「俺、電池扱い!?」

「悲しいかな。未だ人族からすれば、魔族関係者は見下す対象という事だね」

「俺もくくり的には人族なんですけどー」

「まあ邪神認定優先だよね、この場合」

「邪神らしいことなんてほとんどしてな──いや、してたな割と」

「アルスター王国騎士団半壊事件は割と有名だよ、その筋ではね」

「えっ、半壊事件? ほぼ皆殺し事件じゃなく?」

「…………(ドン引き)」

「ちょ、その反応は傷つくぞ!」

「ここでドン引かなくていつドン引きしろと言うんだい、君は」

「……そうだな。なんか最近、普通の感覚がなくなってきてる気はするんだわ」

「そこはぜひシータさんに期待したいところだね」

「まあ、あいつが俺の理性みたいなとこあるもんなー」

「各国にはぜひシータさんには手を出さないよう周知しておくよ。地図の形が変わるほどの破壊行為なんて止めようがないからね」

「実際に地形が変わったのは魔国だけどなー。なんかルージオは逆に喜んでたけど」

「まぁキミの狂信者みたいなものだから、彼」

「で、悪の秘密結社についてなんだけれど……」

「話は戻るのか……」

「過去の魔導遺産の中でも消費魔力が高すぎて使い物にならなかった兵器を集めているようなんだ」

「兵器」

「そう兵器」

「しかも魔導遺産だから、現代の技術で作られたものよりも格段に頑丈なんだ」

「スパロボ並に?」

「もちろん指揮官機よりも頑丈なものもあるだろうね」

「それチート連中なら普通に壊せるくない??」

「……!」

「なんで今思いつきましたな顔してるんだよリト」

「いやね、魔導機器の動力源のみに執着しすぎて、そちらの方向から考えるのを忘れていた」

「ちなみに例の秘密結社とやらのアジトは判明してるのか?」

「ウチの組織力を舐めないで欲しいね!」

「お前んとこのストーカー(ちから)やばいもんな」

「そこらの粘着気質と同じ括りにしないでいただきたいんだけれど?」

「つまりスーパー粘着質なんだな」

「ひどい!?」

「まー場所が判ってるなら、とっとと早乙女たちを突入させれば解決だよな。俺も警戒せずに済むし」

「そうだね、思い立ったが吉日。早速、冒険者ギルドに依頼してこよう」


□後日

「……リュージ、もう耳に入っているかとは思うんだけれど……」

「早乙女たち、なんかボロボロになって帰ってきたらしいな」

「勇者ですら敵わないとは、私たちは奴らの力を侮っていたようだ」

「正確にはそいつらがかき集めてたっていう兵器な」

「せめてもの救いは動力が無尽蔵ではない、という事だね」

「俺が捕まったらアウトだけどなー」

「頼むから不穏なことは言わないでくれ!」

「まぁ安心しろって! 今の俺ならそう簡単には……きっと、いや多分、捕まったりは……しない、と、思う」

「どうしてしりつぼみになってるんだいキミは」

「そのー。こないだみたいに人質取られたらやばいかも、とか」

「あぁ。特にシータさんが人質なんかにされた日には世界が滅びるね……」

「やぶさかじゃあないな!」

「そこは胸を張る所ではないよ、リュージ!」

「ほら、ブチギレしたら何やらかすかわからないヤツっているじゃないか。まぁ俺のことなんですけどね!」

「てへぺろても許されないことはあるんだよ?」

「真顔でツッコミありがとう。リトも今回はマジで本気なんだな……」

「それはそうだよ。世界存亡もだけれど、キミが本気になれば奴らが集めた魔導遺産もチリになってしまうじゃないか!」

「本音!! ちっとはオブラートにつつ……いや、お前だもんな。そうだよな」

「遺産というだけあって貴重な物なんだよ。過去の勇者たちが能力を駆使して作った物だから再現が難しいし!」

「……絶対に日本人だろそいつら。魔改造的な意味で」

「基本的に召喚元はランダムなはずなんだけれど。もしかすると偏ってるのかなぁ」

「そういえば勇者ってどのくらいのスパンで呼ばれてるんだっけ?」

「うーん、そうだねぇ。魔王が覇権を唱えた場合に限るから百年から二百年ごと、くらいかな」

「時間関係どうなってんの!?」

「勇者は適性で選ばれる仕組みだから、召喚元の時間軸は考慮されていないかもねぇ。……いや、もしかすると次元や世界すらも、かもしれない」

「パラレルワールドかー。召喚魔法すごいな」

「今回は特に人数が多かったから召喚元では大変な騒ぎになっているかもしれないね」

「うわ、なんか帰るの怖くなってきたな」

「普通は一パーティー四人ぐらいなんだよね」

「失踪者四人でも割と大事だぞ……」

「幸いキミたちの中には調停者さんもいる事だしなんとかなるだろう?」

「なるかぁ?」

「専門職の恐ろしさを舐めない事だよ。キツキ嬢だったか。彼女がその気になればまとめられない話はない」

「本人の気質を考えたら、その気になるのいつだよって感じだぞ? それでも?」

「そうならざるを得ない状況に追い込まれれば人間なんでもできるよ!(きらーん)」

「本音がやべぇ! 逃げて杵築、超逃げてぇぇぇーー!」

「はっはっは!」

「笑い事じゃねーよ!?」

「——では話を戻そうか」

「……そーだな。お前は今後の研究のためにできるだけ魔導兵器を壊されたくない。が、今のところ無事に取り返す手段がない」

「そうなんだよ……相手がそれを武器として使ってくる限りは応戦しなくちゃならない。無傷でとはいかないんだ」

「勇者パーティーですらボロボロだもんな。手加減してどうにかなるもんじゃなさそうだ」

「だからといって総力戦となると貴重な遺産が消滅してしまうんだよぅ……」

「わがままか!!」

「だってぇー」

「これだからコレクターってやつは」

「別にコレクションするためじゃないよ! 仕組みを調べれば別の技術に転用できるかもしれないだろう?」

「あー、どんな道具も使い手次第ってやつね……」

「ああ、そうだとも!」

「頼むからマッド方面には走るなよ? お前のバックには国家権力が付いてんだから……」

「はっはっは、トモセじゃあるまいしそんな事……(目を逸らす)」

「目を逸らすなよ、不安になるだろうが……! ただでさえお前、友瀬と属性被ってるのに!!」

「私は錬金術師ではなく魔導技師なんだけど? 彼女ほどの無茶は……」

「いちいち黙り込むのやめろよ。あとこの会話聞かれた日には、俺もお前も実験台直行だからな? わかってるか?」

「共犯というわけだね! 良いとも!!」

「でも困ったな……どうやれば損傷少なめで確保できるんだ」

「手っ取り早いのは動力だけを潰す、かな」

「兵器の防御を一点集中で抜けそうなのは、浅田の姐さんの弓術か八田の槍術……いや八田は近接だから下手するとタコ殴りに遭うな」

「かといってアサダ殿だけでは手が足りないよ?」

「――ッ! こういう時こそ友瀬の錬金術だ! 兵器の外装溶かせる薬品あったろ、アレだよ!」

「動力部にぶつけて露出させようというのかい?」

「そのとーり! これなら弓の腕がいい奴を集めれば防御を突破できる」

「他の近接職の皆も少しは楽ができる寸法だね。動力部自体の硬度が問題になるけれど……」

「……あ゛。日本人謹製ならぜってーえげつないことになってる」

「その辺りは、ニホン人にはニホン人をぶつけるのが妥当な手ではないかな」

「目には目を歯には歯を、チートにはチート戦法か。戦力インフレとか大丈夫か、それ」

「今回は人数が多いことだし使える者は使わないと……近接戦闘者も遠距離戦闘者もそこそこ居たよね?」

「いやー、どうかな。非戦闘職も多いしなぁ」

「前回の敗因は勇者パーティーのみで突貫した事だ。総力戦でも負けるとなれば世界が滅びかねない」

「いや敗因はどう考えても『魔導兵器を可能な限り使用可能な状態で持ち帰る事』って条件付いてたからだろ、アレ。早乙女たち涙目だったぞ」

「……(目を逸らす)」

「しかも甲斐先生抜きの三人脳筋パーティーだったしな……ただ、先生が居たら殲滅戦だったろうから、お前の願いは儚く散ってただろうけど」

「手加減すれば負けは確定。しなければ勝てはするけれど遺産は手に入らない……」

「二兎追うからダメなんじゃね? 舐めプ良くない」

「諦めるしか……諦めるしかないのか……ッ!!」

「悲壮感がやべーけど、内容を考えるとサイテーだよなー」

「技術の進歩に犠牲は付きものなんだよ……。まぁ、人として最低限の倫理観は必要だけれど」

「あー、まあ、お前はまだマシな部類だよな、そういえば。魔導具が関わらなきゃ立派な王子サマだし?」

「魔導具狂いな自覚はあるけど……仕方ないじゃないか、好きなんだから。キミだって草刈りを禁止されたら暴れるだろう?」

「…………うぐっ!」

「ヒトとは業の深い生き物だよねぇ……」

「自分で言うのも何だけど、俺らのは度を超えてるからな?」

「自覚があるだけにタチが悪いね……」

「とりま友瀬には薬品の大量発注をしておくとして」

「戦闘職はリュージの学友で固めるべきだろうね」

「アレでもみんな最高戦力だもんなー。今回のは流石にギルドに緊急依頼出すべき事案だよな」

「あんな馬鹿馬鹿しい連中でも、持っている兵器の性能はピカイチだからね。こちらもそれなりの戦力で対応すべきだろう。……魔導具の無事とか無事とかは別として、うん」

「未練たらったらじゃねーか!」

「欲しいんだよぅ……! 古の技術を浴びたいんだよぅ!!」

「みんなには頼んどいてやるから! いい大人が鼻水まみれで泣くんじゃない!」

「ぼん゛どに゛……? や゛ぐぞぐだよ゛……?」

「…………コイツ、プライドをかなぐり捨ててやがる……ッ!?」

「うぅー!」

「はいはい、泣き止めって」

「……じゃあ、改めて冒険者ギルドに緊急依頼を出すよ……」


□更に後日

「リュージ君。頼みがあるんだけれど……」

「断る!」

「なんでさ!?」

「どうせ電池になってくれとかそういう話だろ!」

「まあそうなんだけど」

「開き直りが早いな!?」

「事情は君も知っての通りだ」

「魔導兵器がほぼ原型とどめて手に入ってホクホクなんだろ? ……ただし動力部除く」

「そう、動力部だけが無いんだ」

「それでいいじゃん、悪用されなくなったんだから! 何が不満だよ!!」

「いやぁ、せっかく手に入ったのに動作確認できないのは辛いなって……」

「邪念の塊じゃねーか!」

「邪念ジャナイヨ? 知的好奇心ダヨ?」

「なお悪いわ! 倫理観学び直せ!」

「倫理観うんぬんは、君にだけは言われたくは無いのだけれど……」

「……そうだな、そうだったな」

「そう素直だと逆に怖いな」

「どうしろと!?」

「とりまこの石をギュッと握りしめてくれないかな?」

「唐突すぎる話題転換だな……まあそのくらいならお安い御用だが」

「ふふふ、掛かったね!!」

「何を――こ、これは! 体の力が抜けていくッ!?」

「これは魔力を吸収して蓄える性質を持った魔石さ!」

「なんとしてでも俺を電源扱いするつもりか!」

「くっくっく。これも魔導具業界の発展のため。キミには尊い礎になってもらうよ」

「お前のがよっぽど悪の秘密結社の総帥じゃねーか!」

「えっ?」

「無自覚か!」

「やだなぁリュージくん。私は世のため人のために奔走しているだけダヨ」

「やべーやつはみんなそう言うんだよ」

「そんな事言いつつ魔石を投げ捨てないキミが大好きさ!」

「キモい」

「はっはっは」

「……魔力を取られたところで害がある訳じゃねーし?」

「太っ腹だねぇ。さすが神様! さす神!」

「なぁ、リトお前最近なんか日本のサブカルに染められてねぇ?」

「すぱろぼの概念と一緒に教えてもらった諸々が面白くてね、つい」

「おい誰だよ! 一国の王子をサブカル漬けにした奴ぅぅぅ!」

「おいおい、その反応はないだろう? 想像力豊かになったと言って欲しいね」

「それ想像力ちゃう、妄想力や」

「どっちも変わらないよ。発想の豊かさが新たな発明を生むんだからね!」

「ソウダネー」

「棒読みかー……棒読みかぁ……」

「でもよ、動力部は完全破壊したんだろ? 電池だけあったってどうしようもないんじゃないか?」

「その辺りはトモセ嬢をはじめとした錬金部隊完全監修でね、再現可能なんだ」

「……ん? それはそれでやばくない?」

「……言われてみればそうかも?」

「なんで指摘されるまで気付かないんだよ、お前はー!」

「眼前に大好物をチラつかされて待てなかったんだよ!」

「正直か!」

「ならばキミは絶好の草刈りスポットを眼前にして待てができるのかい!?」

「できません!」

「そう言う事さ。仕方がなかったんだ」

「悲しい事件だったな……っていやまだ未遂だけど!」

「そうだね。『まだ』未遂だね、キミも私も」

「勝手に共犯にするな! 俺は何もやってねぇし、やらねーよ!!」

「はいはい、そうだね。魔王城での庭師たちとの抗争は聞き及んでいるよ」

「上司(邪神)命令に従わないアイツらが悪いんだい!」

「……。ところで僕ら何の話をしていたっけ?」

「魔導兵器の復元はヤバいだろって話だよ!」

「ああ、そうだった」

「防止策を講じないなら、この魔石はやれねーな」

「…………(目を見開いて驚いている)」

「なんだよ、その反応」

「いや、そこらの悪人よりよほど善良な邪神だなぁ、と」

「こちとら平和国家生まれの一般人育ちだからな」

「……防止策なのだけれど、遠隔自爆スイッチを仕込むというのはどうだろう?」

「なぜに遠隔……いや、遠隔でできるに越したことはないけどさ」

「自爆スイッチ自体は既に組み込まれているんだよね」

「……そうだった。アレ作ったの日本人のマニアだった」

「たしか……自爆は浪漫! だったか。今なら少しだけその感情が理解できるよ」

「理解すんな! そっちは地獄だ!!」

「えぇ……」

「王子の最終手段が自爆で爆発オチとかシャレになんねーんだよ! ここはギャグ時空じゃねぇんだぞ!」

「もちろんアフロで終わり、とならないのはわかっているよ」

「わかってる分タチが悪いわ!」

「はっはっは。後は、一通りの研究が終わったら解体してリサイクルできる資材だけ残して完全破壊かな」

「無駄にエコいな……」

「資源は節約するに越したことはないからねぇ。それに魔導兵器の材料は超古代文明の産物だから貴重でもあるし」

「オリハルコンとかヒヒイロカネとか……そんな感じか」

「それらも現代の技術では作り出せない金属だね。自然出土するにしても産出量が少ない」

「幻っぽい金属なのに少しは採れるのかよ。……さすがファンタジー世界だな」

「もちろん資源は平和転用する。僕としては生活に関わる発明に転用できればとは思っているのだけれど……」

「え? なんか問題あんの?」

「国家間の調整とかが面倒くさいなぁって。ほら、軍事転用にこだわる頑固貴族とかもいるしさぁ」

「リストとかくれたら、俺と斉藤辺りで忍び込んでトラウマ植えつけてやるぞ?」

「君たち都市伝説にでもなる気かい……?」


終わっとく。

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