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引きニート×2の異世界物語  作者: 夏目蛍/ 橘春流
第一章
13/16

12 黒崎side 武器選び

黒崎視点。

 俺は今、真剣に考えている。


「おい、黒崎ーー?早く選べよー!」


 ……隣で急かすこいつとは違い、真剣に考えている。

 何に悩んでいるか。それは、武器選びについてだ。

 武器屋に連れてこられた俺達は、エマに「何でもピンときたの一つ選んでね!値段は気にしなくていいよ、どうせマスターの奢りだから」と言われ、選んでいたのだ。

 長瀬は、すぐに武器を決めたみたいだが。やたらと煌びやかな双剣にしたそうだ。長瀬らしいといえば長瀬らしい。

 俺も、剣にする、というのだけは決まっている。だが、剣にも色々な種類がある。


 さて、どうするか…、と思ったその時。


「__あ」


 なんとなく、そう、なんとなく、1つの剣に目が止まった。引き抜いた剣は、青い柄の刀。異世界に刀なんてあるのか、とか思ったが、日本みたいな国もあるのだろう。

 よし、これにしよう。軽いし、格好いいし、斬れ味も良さそうだ。何より、一目見てピンときたのだ。直感で、この刀が俺に一番合っている刀だと解った。

 ……少し、厨二臭いけど。


 俺は、武器屋のオッサンと談笑するエマのところに渡しに行った。ついでに砥石もあったら買って貰おう。







「…っ…ハァっ…ごひゃっ…くぅっ……終わった…!!」


 俺は、「腕立て伏せ500回」という苦行が終わったとばかりに、練習室の床に倒れ込む。やばい、結構辛い、鬼だ……。


「ハイ、クロっち!こんくらいで満足してないで、次はスクワット200回!!」


 容赦はせんとばかりに、すかさずエマの声が飛んでくる。


「……鬼。」


 溜息をつきながら、筋トレを再開。


 現在、俺等はエマの監視下の下、体力づくりとやらをしている。

 エマが言うには、「魔法だって剣だって何だって、まずは体力づくりが大事!そんな貧弱な筋肉じゃ、何にも出来ないよ!!」らしい。

 それで今、この筋トレを課せられている、という訳だ。


「…にっ…ひゃくぅっ…!終わった……!!」


 バタリと床に仰向けで寝っころがる。ヒンヤリとした床が、火照った体に気持ちいい。

 横を見ると、長瀬もちょうど終わったところらしく、床に倒れこむところだった。

 すると、エマが俺等の顔を覗き込んできた。


「ウフフ…、なかなか頑張ったじゃないの!今日はこれで終わりにするね!!」


 と、エマはウインク。


「「よっしゃ!!」」


 俺達は、大きくガッツポーズをつくる。


「たくちゃんとクロっち、ちょっと汗まみれだから…、とりあえず」


 と、エマが俺達の頭上に手をかざした。何をするのか分からない俺は、エマに何をするのか聞こうとした、のだが。


「「うおあああああああああ!?」」


 決して心地よいとはいえないシャワーが、俺達の体に直撃。水は、俺等の汚れを流していく。

 エマが手を閉じると、地獄のシャワーは止まった。


「ゲホッ…ゴホッ……寒っ…」


 盛んに咳き込む俺達。と、同時に。


「「うおあああああああああ!?」」


 今度は、俺達の体に熱風が直撃。ごうごうと勢いの良い風は、俺等のビショビショの髪と服を、あっという間に乾かしていく。

 やっと止まった、と恐る恐る目を開けると、エマの満面の笑顔。


「ね?綺麗になった!!」

「「ふざけんなーーーー!!!!」」







「それで?今日1日目の練習は、どうだった?」


 またもやギルマスの部屋に連れて来られた俺達は、ギルマスに質問される。


「まあまあ、じゃね?……1回死にかけたけどな。」


 長瀬はそう答えると、エマを睨む。


「ははー、ごめんごめん」


 エマは、ニコニコしながら頭をかいた。ごめんで済まされる話じゃねえよ……。


「そうかそうか。で、練習も結構だが、パーティのことも、考えて欲しいんだ」

「「パーティ?」」


 全く不本意ながら、長瀬との二重奏で聞き返す。


「ああ。ギルドのクエストを受けるには、パーティに所属してないといけないんだ」

「ああ、それなら、俺と黒崎のパーティでいいよー」


 長瀬は、これで決まりだ!とでもいうように、俺の背中をバシバシ叩く。痛い。


「そうもいかない。パーティの人数は、四人以上と決まっている」

「四人…」


 4人必要。ということは、あと2人連れてこなければならない。そのことに気づき、俺等は黙り込む。


「まあ、急がなくてもいい、ゆっくり考えてくれ。今日は初めてで疲れただろ?いい飲み屋の紹介してやるよ」


 ギルマスは、長瀬に手書きの地図と一枚の金貨を渡した。


「飲み屋?」

「ああ。あそこはいいぞ、綺麗な踊り子さんが沢山いる。飲み代は俺の奢りってことで、金やるよ」

「よし行こう、黒崎!!」


 夢見心地なギルマスの言葉を聞くが早いか、長瀬は俺の手を掴むと部屋を飛び出した。




次回は長瀬side。

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