小説を書くのが苦痛です
「痛ってぇ!!」
キーボードを叩いた途端、脳天を駆け抜ける苦痛に俺は顔を歪めた。
指先からは、ジンジンとした痛みが伝わってくる。
体に纏わりつく様なこの鈍痛は、ここ最近消えない苦しみだ。
「これは、天が我に科した罰なのだろうか……」
中二臭いセリフが、口をついて出てしまう。
感覚神経のつまった指先は、小さな傷であっても大きな痛みを引き起こすのだ。
これは、水仕事の多い主婦には、この時期だけではない悩みかもしれない。
まったく、困った事だ。
と、何だか大袈裟に表現してしまったが、何の事は無い、指先のアカギレである。
親指と中指のツメの辺りがぱっくりと割れてしまい、タイピングの度に痛みが走るのだ。
しかも、両手なので始末が悪い。
ブラインドタッチの出来ない私は、ほぼ中指と人差し指でタイプするのだが、その中指がやられているので、どのキーを打っても痛い。
これは、本当にキツイ。
まるで修行の様である。
母親が、冬のこの時期よくこぼしていたが、実際に自分で体験してみると本当に大変である。
感謝しかない。
しかも、私の仕事はロボットの起動ボタンを押す必要があるのだが、これがまた具合が悪かったりする。
ボタンの周りは、押し間違いを防ぐ為にカバーの様になっているのだが、これがまた絶妙に指先を刺激する事がある。
急いでいるからといってエイヤッとばかりにボタンを押すと、たまにカバーが傷に直撃し、思わず「うぉ!!」と叫びたくなる激痛が走る。
割れていない人差し指、薬指、小指では押し辛く、中々に厄介である。
洗い物の時には手袋をしたら防げるのかもしれない。
ハンドクリームでケアすれば、悪化しないのかもしれない。
面倒臭がりなのも問題であろう。
一度割れると中々に治らない。
この時期は、本当に厄介である。