さらば王女の愛よ
異世界で腕輪のボタンを押したら世界的に展開している通販サイトへ[アマノガワ]へ繋がったでござる。
「なんかすっげーハイテク!」
俺は音声にしたがって名前を入力して使い方を学んでいた。
腕輪から画面が生えてきてそこをタップスクロールすることで操作と通販サイトの商品が見れるみたいだ。
腕輪が言うには腕輪持ち主本人の所に直接商品を転送して届けてくれるらしい。
なんか無駄にハイテクだが、これは異世界まで届けてくれんのか?
適当に商品を選んで買ってみることにした。
「腹がへったからカロリーメイトとジュースでも頼むか」
忙しい現代人にもピッタりなヘルシーで栄養も取れるどこでも食べれる食い物だ。
えっと、商品を買い物カゴにいれてと
『お支払方法を選択してください。』
「あ!金かぁこれはどうしよう?振込は使えないな、クレジットか・・・」
うーん、元の世界で俺の扱いはどうなってんだ?死んでんのか行方不明か
どっちにしろそういう扱いのやつの口座から金が引き落とされたら問題だしなぁ
そもそもクレジットも止められるだろうし、うーん
「お?この代金引換えの下にある現物支払いってなんだ?」
現物支払いのヘルプマークを押して説明を読んでみると
現物支払いとは、物を逆にこちらから転送して瞬時に査定しポイントとし換算し
そのポイントによって買い物ができる仕組みらしい。無論生き物はNGらしい。
「ふーむ、なるほど。異世界から送れるか試してみるか。」
なにかポイントに変えられそうな物なあ
服はいるし
「あ!このペンダント!」
実は城から大臣に追い出される直前に王女妹のほうからペンダントを貰っていたのだ。
「勇者様、お父様達が勝手にお呼びしたにも関わらずこの様な酷い仕打ち申し訳ありません。どうかこのペンダントだけでもお持ちください。きっと貴方をお守りしてくださることでしょう・・・」
・・・とか言ってたな
「ふ、ふんペンダントなんかで人が守れるかよ、だいたい酷いと思うなら元の世界へ返しやがれってんだ!」
と、とりあえずを何ポイントになるか見るだけな。うん見るだけ。
説明によると確認があるみたいだしな。
『現物支払いを開始します。お支払いの物を赤いマークでロックしてください。』
腕輪が喋りおわると腕輪から赤い光が伸びてきた。
「なるほど、これをペンダントに合わせればいいのか。」
『読み取りを開始します。・・・読み取りを完了しました。』
「あ!消えた」
シュンと音を立ててペンダントが消えた。
『査定中・・・査定完了。ポイント額は100万ポイントになります。
ご納得頂ければYesボタンをご納得いただけない場合はNoボタンを押してください。なお、商品の返却はできません。』
「うっひょーー!!マジカよ!!Yesと」
画面のYesボタンを押すと最終確認ののちにポイントへ還元された。
・・・バイバイ、ペンダントちゃん。
「なんか異世界でもいけたな、これで買い物もできるかな?100万ポイントムフフ」
さっきの買い物カゴのなかをポイント支払いで支払い次はとどけ場所の画面になった。
「なになに、腕輪の場所に届けてくれんのかぁ便利だな」
腕輪の場所へお届けを押して完了と。
『お買い上げありがとうございます。商品発送の準備が整いました。お届け致しますので場所の指定をしてください。
商品の大きさに合わせた長方形の印が腕輪から出ます。印の中に入ったりお手を触れたりした場合発送が中断されますのでご注意ください。』
そう腕輪が喋り終わると腕輪から四角い印が出てきた□
何もないところに印を合わせてOKボタンを押す。
『転送中です。ご注意ください。転送中です・・・』
30秒くらいしたとき□が光ったと思ったらそこには段ボール箱があった。
『転送完了しました。またのご利用をお待ちしております。』
「おお~!なんかすげーな!」
ボキャブラリーの乏しい俺はスゲーしか言えてなかった。
とりあえず箱を開けてみるとカロリーメイトとジュースが入っていた。
「お!ちゃんとある!」
おそるおそる喰ってみると普通に喰えた。
「うっめー!あの飯の後だとメッチャうまい!!」
やっべーこの装置すげえな!!
普通に異世界で通販することができるじゃん!
俺はうまいカロリーメイトを食いながらあの晩餐のことや、その後のことを思いだしていた。
「ふッあのバカ貴族どもめ!俺は今お前らがどんなに金を払って逆立ちしてもも食えない物を喰っているぞ!!」
ああ!この優越感最高DA!!
カロリーメイトとジュースだけど。
・・・でも考えてみたらあいつらかわいそうな奴らだよな
せっかく人間の味覚は甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つもの味覚を味わえるっていうのに、この世界の奴は金持ちでもせいぜい薄い塩味と苦みとたまーにかなり贅沢な特定の甘味くらいか。
うま味なんてまず無理だろうな!!!
「ふふふ!ざまあー」
ここで、冷たいアイスでも売ればアイス1個で国が買えるかもな!!
なんせここでは食えないし誰も作れないんだから。
「俺はここで王になってあのクソ王族貴族を見返してやる!!!」
・・・なーんてな
国をもつとか管理めんどそうだからとりあえずこの力で快適な住処でもつくるか。
◆
「ああ!そんな勇者様!!もうお亡くなりになってしまったのですか!?」
「どうされたのです?姫様」
「うう、・・・それが勇者様へ差し上げたペンダントからの勇者様生体情報が途絶えたのです」
「・・・」