第15話 ユースとの試合 3軍編 その2
本日15時より、日本U-17との試合を開始する。
朝9時より3軍選手は3軍ミーティングルームに集められ、戦術の話合いを行っていた。
その中に2軍の選手も一部混じっている。
今回の試合は対外試合と言うことで交代要員を2軍選手から借りる事となった。
入れ替え戦終了後に選手の移動が行われ、メンバーは2人入れ替わっていた。
3軍チームメンバー
CF 花形 智明 身長173cm 体重62kg
2軍→3軍へ
ST 倉見市 俊治 身長172cm 体重60kg
OMF 大河 智治 身長175cm 体重59kg
SMF(左)水八 陽一 身長174cm 体重59kg
SMF(右)青木 撤兵 身長173cm 体重63kg
DMF(左)倉石 登 身長173cm 体重60kg
DMF(右)彼我 大輔 身長173cm 体重59kg
CB(左)池華 益雄 身長176cm 体重63kg
CB(中)アルビアル・ベルグラーノ 身長174cm 体重60kg
2軍→3軍へ
CB(右)片磐 重道 身長170cm 体重53kg
GK 重林 大成身長177cm 体重68kg
2軍チームメンバー
CF(右) 中町 葉柄 身長171cm 体重55kg
3軍→2軍へ
CF(左) アルバート・ロペス 身長180cm 体重65kg
OMF 箕河 春樹 身長175cm 体重62kg
レギュラーチーム→2軍へ
SMF (左)セサル・ノゲイラ 身長174cm 体重63kg
レギュラーチーム→2軍へ
SMF(右)林 茉耶身長173cm 体重63kg
DMF(左)マルニャ・アバスカル 身長176cm 体重63kg
DMF(右)セルディア・バジョ 身長176cm 体重62kg
CB(左)下市 庄司身長171cm 体重56kg
CB(中)皆口 雄介 身長173cm 体重63kg
3軍→2軍へ
CB(右)檀乃 琴伴 身長170cm 体重53kg
GK 御津島 修三身長180cm 体重65kg
レギュラーチームメンバー
CF(左)ベニート・ミロ 身長181cm 体重68kg
CF(右)ベレンゲル・ニッセン 身長179cm 体重65kg
OMF シジネイ・ルシオ 身長175cm 体重58kg
2軍→レギュラーチームへ
CMF 川上 雅士 身長172cm 体重58kg
SMF(左)佐藤 雅身長170cm 体重55kg
2軍→レギュラーチームへ
SMF (右)カミロ・アビラ 身長168cm 体重48kg
DMF アーロン・オルネラス 身長176cm 体重60kg
CB (左)下塚 騰児 身長170cm 体重58kg
CB (中)合田 憲次 身長175cm 体重59kg
CB (右)ディオニシオ・モタ 身長185cm 体重75kg
GK 荒川 修司身長185cm 体重73kg
2軍の入れ替わりが一番大きいが、どうしても中間の組織としては仕方のない状況であり、今回のU-17との試合でどう調整するのかという課題があった。
3軍はどちらかと言えば補強に近く、初のアルゼンチンメンバーが入ってきた。
今までCBの皆口の存在が大きく、入れ替わった事が懸念されたが、アルビアルの加入はほかのCBのメンバーに練習では強烈なインパクトを与え、いい刺激になっていた。
アルビアル自身、3軍に落ちた事に非常に悔しさをにじませており、向上心がいい方向に向いているので、それを受けてディフェンス陣はかなり厚みをもつようになった。
フォワードも花形の存在が際立っており、2軍と3軍の考え方に差異があることを感じていた。
3軍とて遊んでいるわけではないのだが、メリハリ、仕事とプライベートを分ける考え方や、思想など受ける影響はでかい。
影響を受けたメリット、デメリットも含めて、現在は、うまく調和していい方向に向いている。
今回の試合は旧3軍メンバーのCF中町、CB(中)皆口もベンチとして入っているので、そこまで大きな違和感がない。
後、CF(左)アルバート・ロペスもベンチとして入っており、OMF箕河、DMF(右)セルディアと2軍選手5人をベンチとして迎えている。
この5人を含めて練習を行い、今日のU-17との試合のミーティングを行っている。 逆に2軍に3軍の選手をベンチとして迎えており、その話は2軍がU-17との試合の時に話をしようと思う。
今回の試合ではあくまで3軍選手だけで試合を行う方向で話が進んでおり、2軍ベンチ選手に出場してもらう機会はないと考えていると3軍の監督から説明があり、選手達からは不満の声は出ることはない。
戦術プランも、特に今までと変わる事はなく、3-5-2のフォーメーションで、新メンバーとの連携を主に意識しながら攻める。
細かい調整が済んだ所で解散となり、各自15時に向けて、体を休めたり、軽く体を動かす練習を行ったりしている。
3軍練習グランドでは彼我をはじめ、8人ほどボールを使った軽めの運動を12時まで行い、昼食を取った後、13時から14時まで整理運動だけを行って体をほぐしていた。
14時には試合グランドに向かい、3軍メンバー全員がそろってシュート練習と、ジョギングを行って、その後また整理運動を行う。
ひそかに恒例と呼ばれている彼我に敵チームからの挨拶が今回もあった。
「お前、確か彼我 大輔だよな?」
U-17の中で特に動きのよさそうな練習をしていた金髪の少年から声をかけられる。
「どこかで会いしましたっけ?」
「俺だ。相良 智明だ」
「おお!智明じゃねーか。久しぶりだな」
座って整理運動をしていた彼我は立ち上がり、相良の前に立つ。
彼我を眺めながら相良が少し驚いた。
「お前大きくなったな」
「そりゃ小学校以来だからな。しかしよく俺ってわかったな」
「良く一緒に遊んでいた仲間だからな。しかしお前走る事にしか興味なかったのになんでサッカーを?俺があれだけ誘っても興味なかった奴なのに」
「まあ、色々あるんだよ」
「しっかしその頭、ぼさぼさ過ぎるぞ」
「そうか?ほかのみんなもこんな感じだし」
3軍メンバーのほとんどが、ロンゲで髪はぼさぼさしていた。
美容室はあるのだが、あまり行こうと思わないメンバーが多く、みなが伸ばしているので特に周りが気になるようなことがなかったのである。
「今日は胸を貸してやるよ」
「あん?」
「まだできたばかりのチームなんだろ?俺達がもんでやるっていってるんだよ」
彼我がおでこをかきながらどう答えていいものかと悩んでいると、その動作を変に受け取られたらしく、笑みを浮かべて相良がうれしそうに答える。
「本気なんて出さないから大丈夫安心しろって」
「まあ、お手柔らかに怪我しないように頼むわ」
とりあえず握手を交わし、二人が離れる。
相良の周りに選手が集まってきて、彼我との会話に興味を示す。
「何を話してたんだ?知り合いか?」
「ああ、小学校の時のダチだったわ」
「へ~でなんかいったのか?」
「軽くもんでやるっていっておいたわ」
「そうだよな。俺らに勝てるわけないってーの」
U-17の間で笑いが起こる。
彼我の周りにも選手が集まってきて、相良との話に興味を示す。
「あいつになんか言われたのか?」
「ああ、別に。小学校の時の知り合いだったわ」
「そうか」
「何点差をつけてやろうか?」
「U-17だろ?そうだな軽めにいくって話だし3点ぐらいでいいんじゃね?」
「じゃあそういうことで」
花形と彼我が笑いながら去っていくのを相良はなぜか気に食わない気分になりながら見つめていた。
まずは各メンバーが発表される。
3軍チームメンバー
CF 花形 智明 身長173cm 体重62kg
ST 倉見市 俊治 身長172cm 体重60kg
CMF 大河 智治 身長175cm 体重59kg
SMF(左)水八 陽一 身長174cm 体重59kg
SMF(右)青木 撤兵 身長173cm 体重63kg
DMF(左)倉石 登 身長173cm 体重60kg
DMF(右)彼我 大輔 身長173cm 体重59kg
CB(左)池華 益雄 身長176cm 体重63kg
CB(中)アルビアル・ベルグラーノ 身長174cm 体重60kg
CB(右)片磐 重道 身長170cm 体重53kg
GK 重林 大成身長177cm 体重68kg
ベンチ
CF 中町 葉柄 身長171cm 体重55kg
CF アルバート・ロペス 身長180cm 体重65kg
OMF 箕河 春樹 身長175cm 体重62kg
DMFセルディア・バジョ 身長176cm 体重62kg
CB 皆口 雄介 身長173cm 体重63kg
自分達にあまり自覚は無いようだが、体の成長期に入った選手ばかりで、5cmも身長が伸びている選手も何人かいる。
その分体力、気力ともにかなり充実したチームとなっていた。
U-17チームメンバー
CF 前島 春友身長169cm 体重62kg
鹿島アルマロス ユース所属
OMF 相良 智明身長168cm 体重63kg
浦和ラグエル ユース所属
SMF(左)石田 信孝身長173cm 体重65kg
浦和ラグエル ユース所属
SMF(右) 広田 忠道身長167cm 体重59kg
ガブリエル大阪 ユース所属
DMF(左) 坂田 一丸身長175cm 体重70kg
鹿島アルマロス ユース所属
DMF(右) 大林 勝彦身長169cm 体重60kg
聖トモバラエ高校 所属
SB(左) 但馬 正也身長172cm 体重61kg
サハリエル広島 ユース所属
CB(左) 天津皮 郁都身長170cm 体重58kg
名古屋ゲダエル ユース所属
CB(右)押田 昭二身長170cm 体重58kg
聖トモバラエ高校 所属
SB(右)長橋 時身長175cm 体重63kg
エゼケエル東京 ユース所属
GK 子守 翔太身長176cm 体重65kg
横浜ヘロヤセフ ユース所属
U-17ベンチメンバー
CF 沖河 順治身長174cm 体重66kg
ガブリエル大阪 ユース所属
MF 末浪 博正身長176cm 体重67kg
エゼケエル東京 ユース所属
MF 原 勇次身長168cm 体重59kg
東京アザゼル ユース所属
CB 紅林 秋矢身長169cm 体重59kg
横浜ヘロヤセフ ユース所属
GK 清水 清隆身長177cm 体重68kg
名古屋ゲダエル ユース所属
ベンチメンバーはもう少しいるのだが、監獄のクラブチームと同じ条件で行うとU-17の監督が宣言したので、登録ベンチ選手は5人となっている。
U-17はアジア大会で優勝を果たしており、かなり自信を持って今回の試合に臨んでいる。
選手達がグランドに集まり、握手を交わしていく。
チームキャプテンが呼ばれ、中央でコイントスを行う。
キックオフはU-17が行う事になった。
前半、左から攻めるのがU-17。右から攻めるのは3軍チームとなった。
審判の笛と合図とともにキックオフ。
試合が開始される。
-------実況解説 その1-------
ジュン:「さあ、U-17対3軍チームの試合が始まりました。実況はジュン・カビラエルと元日本代表 喜多島 郷さんをお迎えしてお送りしております。よろしくお願いします」
喜多島:「よろしくお願いします。」
ジュン:「立ち上がりまずは、バックパスから始まり、パスで回していくU-17ですがどうでしょうか?」
喜多島:「いいんじゃないですかね。よくパスを回せているとは思います。ここからの組み立てでどう攻めるのか楽しみですけどね」
ジュン:「そうですよね。まずは静かな立ち上がりから、外に開いて、これは3軍選手に読まれていたようです」
喜多島:「う~ん。そんな簡単に予想できる動きではなかったはずなんですがね。しかしプレスが早い」
ジュン:「水八選手がサイドからボールを持ち上げていくが、これに対してプレスをかけようとするU-17の動きが少し悪い感じがしますね」
喜多島:「まだ、この高地の環境になれていないような感じですよね」
ジュン:「水八選手のクロスに大河選手が合わせるがこれはクロスバーに直撃!非常に惜しい場面でした」
喜多島:「決定的だったんですけどね。もったいない」
ジュン:「さあ、こぼれたボールがU-17に渡り、中央から縦パスを通すが、プレスの圧力で一旦後ろにさげて仕切りなおしますね」
喜多島:「まずは様子を見たいんでしょうね。このグランドに慣れている3軍選手は運動量を生かしてどんどん詰め寄ってきますからね。U-17はフォーメーションを崩されてバランスが悪いんでしょうね」
ジュン:「おおっと、ここでパスカット、彼我選手が中央からボールを運んで行きます」
喜多島:「U-17の坂田選手と大林選手が止めに入りますが、簡単に抜かれてしまってますね。おおっとここでシュート体勢に入る!!20mはありますよ!」
ジュン:「ボールはまたもクロスバー直撃。先ほどとほぼ同じ位置で今日はバーに嫌われてますね」
喜多島:「まあ、そんな日もありますよね」
-------実況解説 その1 終了-------
それから3軍優勢で攻め立てられ、スタミナを消費していくU-17は一旦守りに入り、前半の35分間で3軍にシュートを20本撃たれる。
これがすべてクロスバー直撃。
しかもほぼ、同じ位置。
3軍選手だれが蹴っても同じクロスバーに直撃する珍事に、U-17の選手達は何かに気がつき初めていた。
自分達が遊ばれている事に。
どれだけきついマーク、プレスをしても抜かれてしまうが、まだチャンスエリアに3軍の侵入を許していない状況で、3軍メンバーはミドルレンジからシュートを放ち、クロスバーに阻まれている。
始めは数本のシュートはただの偶然かと思われていたが、だんだんシュート数と偶然がおかしな数字になり、U-17の自分達が遊ばれていると気がついた彼らはブチ切れしそうになっていた。
(こんな奴らに俺らが遊ばれるはずがない!)
相良は走った。
守りに入った後の監督の指示では相手に走らせて、後半仕掛ける予定の作戦だったが、ひたすらボールを追いかけて、自分のプライドを守るかのように走り続け、体を相手に密着させてボールを取りに行こうとするが、ボールを持っている選手の半径3mほど近づけばすぐにパスもしくはシュートが撃たれる。
どれだけ慎重に近づいても、それが判っているかのようにパスを出されたりし、後ろから近づこうが、同じだった。
なのでチャージ(当たり)ができないのである。
誰も走りこんでいないところにパスを出す馬鹿な選手だと思った瞬間に、そこに走りこんでシュートを撃つ3軍選手。
意味がわからなかった。
どこから来て、さっきまでそんな位置にいなかったはずの選手が、どうしてそこにいるのか?
自分達の行動をすべて把握されて、その先を見て行動している。
自分達は研究されまくっている。
相良はそう感じていた。
前半45分 ロスタイムに入りここでスコアが動く。
シュートを決めたのは彼我。
それもゴール25m前から蹴りこんだシュートにドライブがかかり、並のキーパーの反応では取れない急激な落差を見せ付けながら、ボールがゴールネットを揺らす。 U-17の心をへし折るには、ちょうどいいシュチエーションだった。
今回の話を書くにあたって悩んだ事があります。
Jリーグのクラブチーム名をそのまま使ってもいいのか?と
いう部分です。
ライセンスなんてとってませんので、後々のことを考えると面倒だな
と思い、クラブチーム名をオリジナル名で変更させていただきました。
セリエAの話が中心になってくる際にもオリジナルクラブチーム名を作って
話を進める方針です。
リーグ名も変更し、リアルな感じは失われてしまいますが、ご了承いただけると
幸いです。
ただ、ゲームとかアニメに出てくる人が殺せそうな必殺シュートとかは
出てくる予定は全くありません。
どちらかといえば、村枝先生の俺た○のフィールド、大島先生のシュー○!のような
できそうでできないサッカーテクニックを小説の中で表現できればと思っております。
今後とも「監獄のクラブチーム」をよろしくお願いします。