表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

プロローグ

 六月某日。


 頭から光を反射させた教授が熱弁を振るっている。


 ウェットに富んだ素晴らしい御託を並べ、さもこの世の理であるかのように唾を飛ばしている姿が大変涙ぐましい。


 この広い教室には勤勉に学ぶ者、携帯ゲームに勤しむ者、夢の中に旅立つ者など、思い思いの行動を取る者で溢れている。


 俺は教室内の最前列に腰掛け、このように辺りを観察しながら眠気を堪えていた。大学生になってまで出席率を気にする羽目になるとは全く馬鹿馬鹿しい。


「詭弁について正しく理解できましたか? そこの君、簡潔に例を述べてみてください」


 俺に焦点を当て答えを待ち望む教授に向け、ノートの走り書きを読み上げてみる。


「未来はわからない、ならばわからない事とは未来である」


「正解です。未来はわからない物ですが、未来以外にもわからない事は沢山あります。わからない物が全て未来の事であるとは言い切れないわけですね」


 俺はノートに書き込まれた走り書きに取り消し線を引き、新しく文言を書き込んだ。

 『未来だけわかれば十分である』と。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ