カスカス、スカスカ
「塵も積もれば、大和撫子七変化」
じゃなくて、
「塵も積もれば、ほこりも積もる」
でもなくて、
「塵もツモれば、役満に」
も違う。
「塵も積もれば、土の上に鹿」
どんどん離れていくような気がする。
「塵、縺れれば、解き難い」
いや、なんだっけ?
そう言って、男は、1枚に1つ書いては、紙をくしゃくしゃにして、放り投げて行った。
どのくらいの時間が経っただろうか。男は、自分の身の回りの惨状に気づいた。
「あーぁ、ひでえなぁ。こういうのを、『塵も積もれば、山となる』って言うんだろうな」