リセットボタン【hack to brain】-6
2014年2月5日-7:00
俺は彼女、折月由紀の製作したブレインハックマシンで民間自衛組織ボルケーノオーシャン、通称【火山の海】に捕らわれたその娘である折月此戸葉の脳に私の記憶データを送り込まれている。
目の前は真っ暗闇で、手足は動かせない。唯一見えるのは、マシンが起動してからの経過時間のディスプレイ画面。分かるのは、ブレインハックマシンに起動してから、約一時間が経とうとしていることぐらいだ。
私は最後に彼女と交わした会話を思い出す。
『相葉君、ブレインハックの目的は、七年前の折月此戸葉の記憶にある未来視のデータを抹消すること。軽く説明すると、平安時代の陰陽師である折月家の祖先、折月響一郎が龍神島の赤龍と呼ばれる邪龍を体内に封じ込めた。その赤龍の血が流れた折月家は未来視と言う能力を代々受け継がれてきた。要はその赤龍を殺せば、未来視と言う能力は消える。未来視は火山の海がタイムマシンを完成する鍵。つまり、未来からハックした奴らが仕組んだ私たち一家を事故と言う誘拐事件を起こす意味はなくなり、事故が起きないに過去が書き換わる。結論は火山の海は未来視を手に入れられずタイムマシン開発を頓挫する』
つまり、赤龍と言う龍の血を此戸葉の脳から排除すればいいっと由紀は言っていた。
『あと、相葉君の力になれるか分からないけど、記憶データを改ざんしておくよ、これがあればイメージする事で物理的な武器は錬成できる。例えばミサイルが撃ちたいと思えば、目の前からミサイルを作ることが出来る。だけどここで注意点がある。このイメージは魔術の類は使用できない。魔術は私の専門外だからどんなに改ざんしても分からない。まぁ先祖は龍を封じ込めるほどの魔力はあったそうだけどね。最後にこれを渡しておくよ。使い方はあえて言わない。でもきっと相葉君が困ったときの役に立つと思うから。じゃマシンを起動するよ。』
渡されたのは携帯もどきの意味不明な機械。裏面には謎のカメラが付いている。
『でもいいのかい。これを起動したらこの世界に戻れる確証はないよ。辞退するのも相葉君、貴方の判断で決めていい』
俺は最後にこう言ってやった。
『上等ですよ。俺は此戸葉を救うためにここまでやってきた。この五年間は無駄にはしない。由紀さんには礼を言いたいくらいですよ。赤龍を殺した後はどうなっても構わない。もう一度、此戸葉に会わせてくれて、感謝してもしきれないですよ。だけど、可能性があるなら此戸葉を連れて必ず戻ってくる。』
私はヘルメット状のヘッドギアを被り、シートに座った。
『じゃシステム、オールグリーン、3、2、1、ブレインハックマシン起動』
私は此戸葉を救う絶対に。
ブレインハックマシンの起動から三時間が経過。脳にインターネットを介して記憶データを送り込むためには、記憶の圧縮に時間が必要と由紀は言っていた。
三時間半が過ぎようとしていた頃、マシンに異常が発生した。今まで真っ暗闇だった周辺が赤と黄色に交互に点滅し、『プログラムerror』とディスプレイに表示される。
由紀さんが前に言った言葉を思い出した。
『もしかしたら記憶データが、相葉君の大幅な記憶の改ざんで脳が記憶喪失もしくはで記憶がバグって架空の記憶に変化する可能性も否定できない』
その後、ズドーンと大きな音を立てて機械は停止した。私はその衝撃で意識が途切れた。
2014年2月5日-7:00
俺は彼女、折月由紀の製作したブレインハックマシンで民間自衛組織ボルケーノオーシャン、通称【火山の海】に捕らわれたその娘である折月此戸葉の脳に私の記憶データを送り込まれている。
目の前は真っ暗闇で、手足は動かせない。唯一見えるのは、マシンが起動してからの経過時間のディスプレイ画面。分かるのは、ブレインハックマシンに起動してから、約一時間が経とうとしていることぐらいだ。
私は最後に彼女と交わした会話を思い出す。
『相葉君、ブレインハックの目的は、七年前の折月此戸葉の記憶にある未来視のデータを抹消すること。軽く説明すると、平安時代の陰陽師である折月家の祖先、折月響一郎が龍神島の赤龍と呼ばれる邪龍を体内に封じ込めた。その赤龍の血が流れた折月家は未来視と言う能力を代々受け継がれてきた。要はその赤龍を殺せば、未来視と言う能力は消える。未来視は火山の海がタイムマシンを完成する鍵。つまり、未来からハックした奴らが仕組んだ私たち一家を事故と言う誘拐事件を起こす意味はなくなり、事故が起きないに過去が書き換わる。結論は火山の海は未来視を手に入れられずタイムマシン開発を頓挫する』
つまり、赤龍と言う龍の血を此戸葉の脳から排除すればいいっと由紀は言っていた。
『あと、相葉君の力になれるか分からないけど、記憶データを改ざんしておくよ、これがあればイメージする事で物理的な武器は錬成できる。例えばミサイルが撃ちたいと思えば、目の前からミサイルを作ることが出来る。だけどここで注意点がある。このイメージは魔術の類は使用できない。魔術は私の専門外だからどんなに改ざんしても分からない。まぁ先祖は龍を封じ込めるほどの魔力はあったそうだけどね。最後にこれを渡しておくよ。使い方はあえて言わない。でもきっと相葉君が困ったときの役に立つと思うから。じゃマシンを起動するよ。』
渡されたのは携帯もどきの意味不明な機械。裏面には謎のカメラが付いている。
『でもいいのかい。これを起動したらこの世界に戻れる確証はないよ。辞退するのも相葉君、貴方の判断で決めていい』
俺は最後にこう言ってやった。
『上等ですよ。俺は此戸葉を救うためにここまでやってきた。この五年間は無駄にはしない。由紀さんには礼を言いたいくらいですよ。赤龍を殺した後はどうなっても構わない。もう一度、此戸葉に会わせてくれて、感謝してもしきれないですよ。だけど、可能性があるなら此戸葉を連れて必ず戻ってくる。』
私はヘルメット状のヘッドギアを被り、シートに座った。
『じゃシステム、オールグリーン、3、2、1、ブレインハックマシン起動』
私は此戸葉を救う絶対に。
ブレインハックマシンの起動から三時間が経過。脳にインターネットを介して記憶データを送り込むためには、記憶の圧縮に時間が必要と由紀は言っていた。
三時間半が過ぎようとしていた頃、マシンに異常が発生した。今まで真っ暗闇だった周辺が赤と黄色に交互に点滅し、『プログラムerror』とディスプレイに表示される。
由紀さんが前に言った言葉を思い出した。
『もしかしたら記憶データが、相葉君の大幅な記憶の改ざんで脳が記憶喪失もしくはで記憶がバグって架空の記憶に変化する可能性も否定できない』
その後、ズドーンと大きな音を立てて機械は停止した。私はその衝撃で意識が途切れた。