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リセットボタン【hack to brain】-18

2014年2月6日12:15 –蔵人Side


私は昨日、此戸葉のいびきが五月蠅く寝たのが深夜の1時過ぎ。まぁ此戸葉もお母さんに会えて、安心して眠れたのは良い事だから勘弁しよう。

丁度、2時間前に俺が起きるのが遅いから、此戸葉に無言で布団を引っ剥がされ、無理やりの起床で一気に目が覚めた。いくら昼とはいえ、まだ冬なのでかなり寒いのに。

それなのに此戸葉は朝の5時に起きたとか。リアルでは寝坊助さんだったのが、脳内世界じゃ大違いだ。

私は起きてカプチーノを飲みながら、此戸葉とお母さんのやり取りを一通り聞かされた。

私と此戸葉のADAの付与する力について聞かされたが、由紀さんは此戸葉に使い方すら教えてくれなかったらしい。

早速、私もADAを体内取り込んだが、その電撃が体中がバリバリ唸りを挙げて、咄嗟にベッドに寝転んで、30分ほど身体の痛みが続いた。どうやら此戸葉のADAと違って初期タイプらしい。

そして、今に至る。

『そーいや、此戸葉のADAは魔術回路式なんだよね』

此戸葉は手の平を見つめて言った。

『お母さんの言ってる事が正しければ魔法が使えるっぽいよ、でも、お母さんの言ってる事は半分以上理解できなかったよ。さっき喋った分が真実なのか怪しいよ、いくらお母さんだとは言えね』

どうやら此戸葉にはお母さんの言ってることは電波系で逝ってる人の言葉にしか聞こえなかったらしい。

私は補足の説明をすることにした。

『由紀母さんの言ってる事は全部正しいよ。このADAは私たちの身を守る護衛術代わりとしてよこしたと思う。それほど、この世界に滞在するのは危険と言う事かもね。あと、由紀母さんが魔術に詳しいとはビックリだよ。ハックする前、魔術はからきし分からないとか言ってたしwww』

『わたしのお母さんは天才科学者って感じがやっと実感できたような気がするよ。暫くここに待機しても変わらないから、ここは寒しいし、どうせなら暖かい沖縄でも行かない?ADAを使えばいつだってお母さんの声を聞くことができるし。それにお金ならこんだけあるからね☆』

わたしは銀色のアタッシュケースを開くと、諭吉さんがたくさん束になって出てきた。

『こんなお金どこから用意したんだよ…、やっぱ、アレか?』

私は部屋の隅の冷蔵庫を指差す。

『何でも冷蔵庫♪』

その言葉には楽しげで、必死で笑いを堪えているような響きだった。


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