休日
陽がテンテンとさしている休日のお昼。
サエの家では、いつもの2人が他愛もない話をしていた。
「はぁ〜」
『何、ため息吐いてんの?』
少し、不信そうな声で言う。
「う〜ん?」
私はベッドで雑誌をペラペラめくり、適当に返事をした。
『サエ…ため息っていうのは、悩み事やら不安やらその他〜……などがある人が吐くものよ?』
「何が言いたいの?」
『アンタに、悩みなんてあるのか、ってこと』
私は、その一言に、不意をつかれた気がした。
「あ、あるわよ!!失礼ねっ!!」
『へぇ〜何?』
「せ、岸野先輩とか…?」
『えっ…誰だっけ、それ?』
「…サヨってさぁ、3日で人の話忘れる人でしょ?」
学校に一人や二人は、そういう素晴らしい能力を持ってる人がいる。
『そんなわけないじゃん』
「本当?意地、張らなくていいんだよ?」
『張ってないわよ』
「はい、はい。わかりましたぁ〜〜」
『はぁ〜』
サヨは深くため息を吐き、ちらりとサエを見て、もう一度、呆れ顔でため息を吐いた。
『……ふぅ〜』
「さて、気晴らしに散歩でもしようか」
『…ええ〜!?私もかい?嫌だよぉっ〜』
「別に、来なくても良いけど…何かサヨの散歩ってどこのこと?」
『………精神科?』
「な、まだそれ引きずってんの!?」
『だって、ね〜?』
「いや、ね〜?って聞かれても…元はアンタが原因だし?」
『そうなんだ〜私の声、アンタにしか聞こえないんだね?ひとつの豆知識わ』
「今は、もう、使えない豆知識ね…」