ハーモニー
学校につき、いち早く向かうは…自我の席。
カバンを横に引っ掛けると同時に、机へと覆いかぶさった。
「つかれたぁ〜こんなんで体育なんて…」
「サエ早く!!」
ドアの前で手招きをしている友人。
「どうしたの??」
「どうしたのって、次は…」
「『体育』」
「…え!?」
周りを見渡せば、女子は誰一人いない。
私以外は…。
男子はそんな私、お構いなしで堂々と着替えていた。
「え、うそっ!?」
「『はぁ〜何やってんのよ』」
友人の声とサヨの声がハモっていた。
なんてゆうか、アルトとソプラノでが合唱をする感じだった。
「うわっ…」
私は自分の発想の凄さに、声を洩らしてしまった。
「『何、どうしたの?』」
また…良い具合に合っていた。
まさか…この2人、相性良いんぢゃ………
うん、どことなく不陰気も似てるしなぁ…そうなのかも。
そんなこと、考えながら着替えて、体育館まで足を運ぶ。
「サ、サエ!!見て、見てっ!!」
「え?」
「いや〜ん!!北上先輩だぁ…ラッキ〜今日一日ハッピーになりそ―」
「うん、君のそのテイションの高さならなれるよ。ラッキーにもアンラッキーにも…」
「それより私は……」
ぅふ。
あ…岸野先輩!!
なんて、素敵なんだろう。先輩だけは、輝いていた。
『それはサエだけよ。私もどちらかといえば…』
サヨは、私の考えていた事を盗み聞きして言った。
そして、チラリと北上先輩の方を…見ていた。
「はっは〜ん(笑)アンタ、北上先輩みたいなのが好みなのね?」
『サエより趣味は良い方ね…』
「な、岸野先輩をバカにしないでよっ!!」
『別に。サエを馬鹿にしただけよ…』
「ムカツクぅ〜」
込み上げてくる、怒りを拳へと集める。
今だったらドラゴン●―ルにも勝てる気が…。
「ねぇ、サエ〜あんたこの頃、変よ?」
「な、何が!?」
「いや、何がっていうか…全体的に」
「そ、そ、そうかぁ〜?」
「うん。急にデカイ声で独り言いうし、うわの空…って感じ」
「!?」
「退院してから変よ…。一回、病院行きなさいよ」
「う、うん」
『友人に精神科、勧められてるなんて…』
「誰が精神科すすめられてんのよ!?」
私は今までにないくらい、大声をだした。
それには、友人も驚きと他に…遠い人のような眼差しで見られた。
「うん。精神科…行ったほうがいいよ。紹介しようか?」