故
『さ、早く言うのよ』
‐うるさい…‐
「か、川島さん?わからないなら良いのよ…?」
『さ、早く言え。言うのよ!!さもなくば、ソナタに憑依するぞ…よ?』
先生の声と彼女の声が二重になって、聞こえてくる。
「ぅ…うるさいっ〜!!」
クラス中の視線が私へと。
あれ?
それは私にとって、一つの答えを意味していた。
もしかしての…もしかして…?
私やっちゃったの!?
「か、川島さん!?先生に何っていう………」
あ〜的中!!
もしかして、が当たっちゃた……。
『ぷっ……(笑)』
「……っ」
とうとう、雷が落ちるかと思い、身を縮めた。
「せ、先生ぇは…か、川島しゃんが…そんなこという子だとは…おも、思わなかった…わ…」
先生は手にハンカチを持ちながら、溢れるばかりの涙を拭った。
泣いちゃった。。。
泣くところだったの?
いや、只、単に涙腺が弱いだけだったの…かも。
そんなことを考えていると先生はドアを開け、早足でどこへ去ってしまった。
どこか、って言っても職員室かトイレしかないと思うけど…。
「あ……ど、どうしよ」
『何でさっきの人泣いてたの?』
「やばい。絶対、職員室で広まってるわ……そしたら…ママにも!!」
たぶん、私の顔は青ざめていく一方だっただろう。
いや、きっとそうだ。
『ねぇ!!聞いてる?』
「…何!?」
『だから、何であの人泣いてるのよ!!』
私は等々、自分をコントロールできなくなり、姿もない声に怒りをぶちまけた。
「アンタのせいよ…」
『えっ?何でそうなるのよ!?』
「…黙っててって言ったわよね?私…」
『そ、そうだけど…。あの方程式、すっごい簡単だったんだもの』
「……なわけないでしょ」