2;再び
何やら知らない間に、四日も過ぎていた…。
入院中、三日目まで爆睡状態だったらしい。
そして…久々の我が家から学校に行くことにした。
変わらぬ我が家。
気遣ってくれる妹。
変わらぬ私。
何もかも普通のはずだった…。
「さて、学校に行くかな」
私は鞄を持ち、鏡でもう一度チエックした。
「よしっ!!」
『何がよし、なのよ。左のピンずれてる』
「え?あ、本当だ。ありがと―――!?」
あれ?
今のは誰の声?
鏡に映ってるは…私。
どう考えても、私以外いない。
じゃあ………一体。
『礼くらい最後まで言いなさいよ』
「い、いやぁぁぁぁ!!また出たわね」
私は家中に、響くくらいの大きな悲鳴を上げた。
「砂絵、どうしたの!?」
「な、何でもないわ」
「何もないわけないでしょ?」
「そうだけど……」
「わかった。ゴキブリが出たのね?退治しといてあげるから…ほら、学校行きなさい」
「う、うん」
何か良くわからないけど…一体、何なの?あの声。
気味が悪いわ。
『ふっ、気味が悪くて結構よ』
「きゃ!!ま、また急に声出さないでよ」
『人の勝手でしょ!!』
「私の頭が痛くなるじゃない」
『それはそれ。これはこれ』
「どうしたら、そうまとめられるのよ…。とにかく、学校では私に話かけないで!!」
そう、この声の主の姿はない。
私の頭の中で、聞こえてくるだけ。
もちろん、私が可笑しいわけじゃないわ。
あの時の事故から…聞こえるようになった。
今だに、存在を忘れてしまう…。




